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連載 医者も知りたい【医者のはなし】・54
旗本でお玉ヶ池種痘所の立て役者 川路聖謨(1801~1868)
著者: 木村專太郎1
所属機関: 1木村専太郎クリニック
ページ範囲:P.1094 - P.1098
文献購入ページに移動この連載第42話(小誌45巻11号)で「お玉ヶ池種痘所を助けた2人の物語」として川路聖謨と濱口梧陵のことを書いた.先日,東京都文京区本郷の東京大学弥生門の近くにある日蓮宗大正寺(台東区池之端2-1-21)で聖謨の掃苔を行って来た.聖謨は五百石の旗本から抜擢されて,老中の下の位に位置する勘定奉行にまで出世し,蘭方医学がご法度であった当時の時勢にあって,蘭方医から依頼されたために,種痘所の嘆願書を聖謨自身の手で書いて幕府に提出した.かつ幕府拝領地である自分の屋敷を,お玉ヶ池種痘所に無償提供した行動は立派で勇気がある.これこそ快挙である.「川路聖謨」のことを新しい知見も取り入れて,再度書いてみたい.
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