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視座
「ムンテラ」と「インフォームド・コンセント」に思うこと
著者: 高井信朗1
所属機関: 1日本医科大学大学院医学研究科感覚運動器再建学(整形外科)
ページ範囲:P.109 - P.110
文献購入ページに移動一方,インフォームド・コンセントは「納得診療」や「説明と同意」と言い換えられることも多い.「ムンテラ」や「Patient Education」と違って,医師と患者あるいは家族との関係は対等であり,従来の医師の権威(パターナリズム)に基づいた医療ではなく,患者の選択権・自由意志を最大限尊重するという理念に基づいている.「consent」とは,双方の意見の一致・コンセンサスという意味であり,必ずしも提案された治療方針を患者が受け入れるということではない.しかし,十分に時間をかけて説明した後に「難しいことはわかりませんから(あるいは,先生を信用していますから),全部お任せします」という言葉が返ってくることも多く,現実と乖離している点もある.そして,インフォームド・コンセントがまるで署名をする前の儀式のようにさえ映ることもある.
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