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雑誌目次

雑誌文献

臨床整形外科47巻4号

2012年04月発行

雑誌目次

視座

日本語の乱れと学術用語

著者: 望月一男

ページ範囲:P.299 - P.299

 私事で恐縮であるが,妹の長男である甥から,最近礼状を受け取った.その文中に“叔父さんも健康に気をつけて”のくだりがあり,奇異に感じたことがある.“叔父さん”は“伯父さん”が正しいが,ゆとり教育世代の学力低下を示すエピソードでなければよいが,と心配している.もとより,言語は時代の流れで変化してゆくものであり,たとえ誤りでも多くの人々が用いることで,歴史的には誤りが正しくなった事例が数多くあることも承知である.「一所懸命」が「一生懸命」に,「独擅場(どくせんじょう)」が「独壇場(どくだんじょう)」に表記,呼称されることが,正しくなったことは有名な事実である.

誌上シンポジウム 壮年期変形性股関節症の診断と関節温存療法

緒言 フリーアクセス

著者: 糸満盛憲

ページ範囲:P.300 - P.300

 変形性股関節症は,整形外科の日常診療の中で比較的頻繁に遭遇する疾患である.特にわが国における股関節症は,発育性股関節形成不全(DDH)に起因する二次性のものが80%以上と多く,一次性股関節症と比べて若年発症するのが特徴の一つである.近年femoro-acetabular impingement(FAI)の概念が導入され,欧米における一次性股関節症の原因として注目されるようになる一方,DDHに起因する二次性関節症においてもFAIがあることが明らかになり,わが国においても注目されている.このような現状から,疫学と診断では二次性股関節症の病因と疫学およびFAIを取り上げ,詳細に記述していただいた.

 二次性股関節症は,前述したように若年発症であり,股関節の形態異常による負荷の集中と不安定性によって関節軟骨が摩耗・破壊されることが原因となって発症する.したがって前・初期関節症の段階で関節の形態を正常化することによって負荷を分散し,安定した関節を再建することで関節症の進行を防止することが治療の眼目となる.そのために急峻な臼蓋を水平化するとともに被覆を改善する手術が行われる.いかなる手術もその適応を考える際には,侵襲の小さな手技から大きな手技へと考慮していく.ここでは骨性臼蓋で被覆する臼蓋形成術と臼蓋移動術など軟骨性臼蓋で被覆する手技を取り上げた.

変形性股関節症の病因と疫学

著者: 大藤さとこ ,   神宮司誠也 ,   近藤亨子 ,   高橋真治 ,   廣田良夫

ページ範囲:P.301 - P.306

 わが国の変形性股関節症は,臼蓋形成不全によるものが約8割を占め,一次性は1割に満たない.診断時の平均年齢は,一次性が68歳,二次性が57歳である.したがって,臼蓋形成不全を有する患者が,変形性股関節症の診断を受けるまでには,多数の年月が経過していると考えられる.

 一次性の変形性股関節症に関しては,高齢,肥満,運動,肉体労働などが,発生関連要因として報告されている.しかし,これらの要因が,臼蓋形成不全を含む二次性の股関節症の発生にも影響しうるかどうかは,論拠の蓄積を要する.

変形性股関節症の原因としての股関節インピンジメント(Femoroacetabular Impingement:FAI)の概念と治療

著者: 帖佐悦男

ページ範囲:P.307 - P.315

 Femoroacetabular impingement(以下,FAI)は,大腿骨と寛骨臼間に動的因子が加わった際にimpingementが生じることにより発症する症候群である.Pincer type,cam typeとmixed typeに分類され,pincer typeは寛骨臼の異常な後捻や被覆などであり,cam typeは大腿骨頭のオフセットの問題などによりimpingementが生じ,大腿骨頭すべり症やペルテス病との関与が示唆されている.若年成人での発症が多く鼠径部痛を訴え,屈曲内旋時痛を認めることが多い.単純X線上,pincer typeはクロスオーバーサインや相対的臼底突出が,cam typeはピストルグリップ変形などが特徴である.ただし,撮影肢位(骨盤傾斜や回旋など)により所見を誤認しやすいので注意を要する.治療法として,surgical dislocation(外科的脱臼法,手術的脱臼法)が主に行われているが,ミニオープン法や鏡視下手術などがある.

前・初期股関節症の手術療法

臼蓋形成術(Lance-神中法)

著者: 伊藤浩 ,   松野丈夫

ページ範囲:P.317 - P.323

 亜脱性股関節症患者に対する治療として,筆者らは適応を選び,棚形成術,寛骨臼回転骨切り術,Chiari骨盤骨切り術を行ってきた.神中法の原法はLanceが1925年に発表しており,筆者らは数多い棚形成術のなかから,神中法を好んで行っている.神中法の利点は,他の棚形成術と比較して術中にX線コントロールやイメージ撮影の必要がないこと,反転骨がフリーの骨移植とならず骨盤からの血流が残るため骨吸収の頻度が少ないことなどが挙げられる.神中法は手術侵襲が少なく,適応を選んで行えば良好な長期成績が期待できる.

寛骨臼移動術

著者: 神宮司誠也

ページ範囲:P.325 - P.330

 寛骨臼移動術は,寛骨臼を関節軟骨面とともに移動させる手術として,1956年に西尾が初めて報告した,臼蓋形成不全による亜脱臼性股関節症に対する骨盤骨切り術である.寛骨臼を球状に掘り出して主に外側かつ軽度前方へ移動することで,骨頭の被覆を改善し,関節の安定性を得ることを目的とする.壮年期とは働き盛りの年代であり,治療期間に時間がかかる治療方法なので,手術の意義を含めて十分に説明したうえで行う必要がある.また,疾患が進行している場合もあるが,進行期でも良好な結果の得られる関節が含まれており,壮年期においても選択肢のひとつとなりうる治療方法である.

偏心性寛骨臼回転骨切り術

著者: 長谷川幸治

ページ範囲:P.331 - P.337

 偏心性寛骨臼回転骨切り術(以下,ERAO)の最新の手術適応・手術方法を述べ,その長期成績を報告する.15年以上経過した長期成績の対象は124例130関節で,手術時平均年齢は37.4歳,経過観察期間平均18.2年であった.ERAO術後の人工股関節置換(THA)は13関節,Harris Hip Score80点未満の成績不良例は26関節であった.Kaplan-Meier法による全症例の関節生存率は,THAをend pointとすると15年で95.3%であった.多変量解析でTHAに至る成績不良因子は,術前最小関節裂げき2.1mm以下,関節不適合,外反骨切り併用,術後亜脱臼の4つであった.

壮年期臼蓋形成不全股に対するCurved Periacetabular Osteotomy(CPO)

著者: 中村好成 ,   内藤正俊

ページ範囲:P.339 - P.343

 壮年期の臼蓋形成不全を伴う変形性股関節症の治療には,関節を温存する骨切り術か人工関節置換術を行うか判断に迷うことが少なくない.当科では,壮年期(60歳前後まで)でも骨頭変形が比較的軽度で,股関節外転位撮影で関節適合性が良好な進行前期までの症例には,外転筋群を剝離しないcurved periacetabular osteotomy(CPO)を行っている.本稿ではその適応および手術手技における注意点を解説する.

進行期・末期股関節症の手術療法

大腿骨外反屈曲骨切り術

著者: 高平尚伸 ,   内山勝文 ,   福島健介 ,   森谷光俊 ,   河村直 ,   髙相晶士 ,   糸満盛憲

ページ範囲:P.345 - P.351

 大腿骨外反屈曲骨切り術は,進行期・末期の二次性変形性股関節症に対して,hinge adductionを利用することにより股関節裂げきの環境を改善させる関節再生手術である.適応は,骨頭の形状がキノコ型で,capital dropとdouble floorが形成され,術前屈伸可動域が60°以上の症例である.人工股関節置換術と比較して,除痛効果や10年生存率は劣らないが,後療法が長い,疼痛の改善が遅い,可動域の著明な改善が難しい,脚長差補正が難しい,抜釘が必要,などが限界として挙げられる.

整形外科/基礎

環椎後弓椎骨動脈溝の定量的研究―環椎後弓切除時における椎骨動脈損傷の予防

著者: 茂呂貴知 ,   紺野慎一 ,   菊地臣一

ページ範囲:P.353 - P.356

 背景:環椎後弓切除時には椎骨動脈損傷を予防する必要がある.

 対象と方法:環椎後弓上面の椎骨動脈溝の定量的な観察を,晒骨を使用して行った.

 結果:正中から環椎後弓内側壁の椎骨動脈溝内縁までの距離は,最小値が左右ともに約7mmであった.この距離は全例で正中から環椎後弓外側壁の椎骨動脈溝内縁までの距離よりも小さかった.

 まとめ:環椎後弓の切除範囲は正中から左右に約7mmずつ,合計約14mmの範囲が安全域といえる.さらに,椎骨動脈を椎骨動脈溝から移動することにより,約25mmまで安全に後弓切除が可能となる.

Lecture

肩関節に対する運動療法

著者: 柴田陽三

ページ範囲:P.357 - P.362

はじめに

 肩関節は運動軸を3軸有する玉関節の1種であり,人体の関節の中で最大の可動域を有している.この大きな可動域を可能にするため,上腕骨頭に対して関節窩は浅く,狭い形状を呈している.こうしたことから骨性の支持が脆弱で,必然的に腱板が支持性を補足し,可動域と関節安定性という異なる機能をうまく調整している3,8,11).この腱板は棘上筋腱,棘下筋腱,小円筋腱,肩甲下筋腱の腱性部分で構成され,骨頭を関節窩に引き寄せることで動的な関節窩の役割を果たしている.また,上肢挙上運動は,肩甲上腕関節の動きと肩甲帯の動きの共同運動によってなされているために,腱板筋群が正常であっても,肩甲骨を体幹に固定・可動させる筋群の機能障害があると,正常な上肢の運動ができなくなる.肩関節の運動療法の対象となる筋群は,その機能から以下の3群で構成される.

 1) 肩甲骨と上腕骨を連結する筋群;三角筋,棘上筋,棘下筋,小円筋,肩甲下筋.

 2) 体幹と肩甲骨を連結する筋群;僧帽筋,大菱形筋,小菱形筋,肩甲挙筋,前鋸筋,小胸筋.

 3) 体幹と上腕骨を連結する筋群;大胸筋,広背筋.

 肩関節に対し運動療法を行う際にはこうした解剖学的特性を熟知し,どの関節や筋肉に対して施術を行っているのかを理解しておく必要がある.

連載 整形外科最前線 あなたならどうする?・4

整形外科最前線 あなたならどうする?

著者: 野村一世 ,   土屋弘行

ページ範囲:P.363 - P.366

症例

患者:64歳,女性

主訴:足部の変形による歩行障害

既往歴:ポリオによる急性灰白髄炎

現病歴:幼少時にポリオに罹患し,7歳頃から右足部の内反尖足変形が出現し,足背接地での歩行となった.40歳頃から接地部に潰瘍が生じ近医で装具による治療を受けていたが,潰瘍が徐々に増大したため当院に紹介された.

知ってますか?整形外科手術の変遷・1【新連載】

患肢温存術

著者: 武内章彦 ,   土屋弘行

ページ範囲:P.374 - P.378

 悪性骨腫瘍における患肢温存手術は,現在は一般的となっているが,悪性骨腫瘍の治療の歴史の中で,化学療法の導入を含めて最も大きな進歩といえる.その歴史について述べる.

成長期のスポーツ外傷・障害と落とし穴・17

腰椎

著者: 濱中秀昭 ,   帖佐悦男

ページ範囲:P.379 - P.381

診断のポイント

 診断のポイントは,詳細な病歴の聴取に際し,腰痛発症時の誘因の有無,発生状況や自覚症状(自発痛や下肢への放散痛など)の聴取である.次に,姿勢の異常,腰椎可動域制限や疼痛の誘発,疼痛の部位(叩打痛の有無など),tension signの有無,神経症状の有無などをしっかりチェックする.確定診断のための画像診断として,X線やMRIを実施する.必要に応じ脊髄造影や造影CT,選択的神経根ブロック,椎間板造影など考慮する.

境界領域/知っておきたい

抗IL-17抗体―リウマチ性疾患に対する効果

著者: 井川宣

ページ範囲:P.370 - P.373

はじめに

 近年,リウマチ性疾患である関節リウマチ(RA)や強直性脊椎炎(AS),乾癬性関節炎(PsA),腸炎性関節炎などの脊椎関節炎(SpA)はTヘルパー17細胞(Th17)関連疾患として理解されつつある.Th17系にはIL-17AやIL-23などのサイトカインが中心的な役割を果たすが,IL-17AやIL-12/23p40を標的とした抗体療法が開発され,現在上記疾患に対してグローバルな臨床治験が行われている.

 本稿ではリウマチ性疾患に対するIL-17の関与と,筆者が第Ⅱ相から参加しており,昨年のアメリカリウマチ学会(ACR)でデータが示された,最も先行している完全ヒト型IgG1抗IL-17A抗体であるAIN457(Secukinumab)のRAおよびAS,PsAに対する効果を紹介したい.

症例報告

肩関節に発生した滑膜骨軟骨腫症に対し鏡視下手術を施行した1例

著者: 藤林功 ,   三谷誠 ,   尾崎昭洋 ,   森裕之 ,   新倉路生

ページ範囲:P.383 - P.387

 患者は17歳の男性で,誘因なく左肩関節痛が出現し,当院を紹介されて受診した.X線,空気造影後CTで肩甲上腕関節および肩甲下滑液包内に複数の遊離体を認め,滑膜骨軟骨腫症と診断し鏡視下手術を施行した.肩甲上腕関節には滑膜炎を軽度認め,大きな3個の遊離体を認めた.また,前方関節唇の9時から11時の位置にsublabral foramenを認め肩甲下滑液包と交通していた.同foramenから肩甲下滑液包内に大小様々な遊離体を多数認めたために,滑膜切除および遊離体摘出術を施行した.術後1年の現在,症状はなく再発も認めていない.

右下腿に発生したMazabraud症候群の1例

著者: 下山哲生 ,   高橋満 ,   片桐浩久 ,   村田秀樹 ,   和佐潤志 ,   鈴木隆辰

ページ範囲:P.389 - P.393

 65歳の女性で肺癌の治療中に,右下に発生した腫瘤をきっかけに右腓骨の骨病変が明らかになり,Mazabraud症候群と診断した症例を報告する.軟部腫瘤は生検により筋肉内粘液腫,骨病変は画像所見上で線維性骨異形成と診断された.単骨型線維性骨異形成の悪性転化率は0.5%とされているが,Mazabraud症候群の線維性骨異形成は悪性転化率が8.3%と高く,注意深い経過観察が必要である.

書評

『こどもの整形外科疾患の診かた―診断・治療から患者家族への説明まで』 フリーアクセス

著者: 川端秀彦

ページ範囲:P.393 - P.393

 近年の整形外科医の小児整形外科離れを危惧してか,ここ数年で何冊かの小児整形外科に関する教科書が出版されている.この書も同様の趣旨で書かれたものであるが,その内容はそれらと一線を画すものである.編者は長年にわたりこの領域に携わってきた第一人者であり,その下で研修し巣立っていった若手小児整形外科医と千葉グループ医師らの著した各項目を統一感のあるものに仕上げている.装丁は最近のこのたぐいの書籍の例に漏れず軽めで重圧感がなく,抵抗なく読み進めることができるであろう.

 内容は下肢疾患,上肢疾患,体幹の疾患,スポーツ障害,成長に伴う問題,腫瘍性疾患,全身性疾患の7つの章と40の項目に分かれており,比較的頻度の高い疾患を取り上げている.各項目ではその疾患に対する初期対応を中心に,知識に乏しい初期研修医や小児科医などが読んでも容易に理解できるように書かれている.特に書名の副題にもあるとおり,家族が発するであろう質問を想定し,それに対する模範的な回答をすべての項目で記載しているが,これは一般整形外科医がとまどいやすいところであり,日常診療に非常に役立つのではないだろうか.また,ブロックダイアグラムを多用して,診断・治療の流れを視覚的に示しており,多忙な外来診療の現場で簡便に参照することができる.各項目の最後には最近の話題がまとまりよく記載されていて,すでに小児整形外科を専門にしている者にとっても各疾患の現状を知ることができ,知識を整理する意味でも一度手に取ってみて損はない.

INFORMATION

第23回日本末梢神経学会学術集会 フリーアクセス

ページ範囲:P.343 - P.343

会期:2012年8月31日(金)・9月1日(土)

会場:九州大学医学部百年講堂

   〒812-8582 福岡市東区馬出3-1-1 TEL:092-642-6257

第14回日本骨粗鬆症学会 骨ドック・健診分科会 フリーアクセス

ページ範囲:P.351 - P.351

会期:2012年(平成24年)9月27日(木)~29日(土)

会場:朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター(新潟市中央区万代島6-1)

7th Congress of Asia Pacific Knee Society フリーアクセス

ページ範囲:P.362 - P.362

会期:2012年10月3~6日

学会場:The Ashok-Samrat Hotel Complex

    New Delhi, India

第15回日仏整形外科学会(SOFJO) フリーアクセス

ページ範囲:P.373 - P.373

期日:2012年9月22日(土・祝日)

場所:東京ドームホテル(東京都文京区)

第119回中部日本整形外科災害外科学会・学術集会 フリーアクセス

ページ範囲:P.387 - P.387

テーマ:医療とヒューマニティ

会期:2012年10月5日(金)~6日(土)

会長:馬場久敏(福井大学医学部器官制御医学講座整形外科学領域)

会場:福井市フェニックス・プラザ,ホテルフジタ福井,ほか

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欧文目次 フリーアクセス

ページ範囲:P. - P.

次号予告 フリーアクセス

ページ範囲:P.395 - P.395

投稿規定 フリーアクセス

ページ範囲:P.396 - P.396

文献の書き方 フリーアクセス

ページ範囲:P.397 - P.397

あとがき フリーアクセス

著者: 金谷文則

ページ範囲:P.398 - P.398

 この後書きを書いている時点で,東日本大震災からちょうど1年を迎えました.昨年の3月11日は北海道のルスツで開催されていた整形外科外傷シンポジウム(EOTS)に参加しており,地震の揺れなどは全く感じませんでしたが,周囲との連絡は途絶しTVで見た津波の映像を当初はCG(computer graphics)と思ったくらいでした.EOTS参加者の多くは緊急・外傷の専門家であり,皆なんとか職場に復帰しようとしましたが,電話も繋がらず飛行機の運航状況もわからないため,その晩は全員ルスツで過ごしました.

 今回の東日本大震災は,巨大地震に大津波が加わり,さらに原子力災害も加わった未曾有の災害であり,初動のある程度の遅れはやむを得ないとしても,その後の政府の後手後手の対応には,外国メディアに指摘されるまでもなく怒りと無力感を覚えました.遅まきながら,被災地の復興,がれき処理,放射能除染が始まりましたが,全くスピード感が感じられません.本年2月末に福島を訪れる機会があり,仙台空港付近のがれきの山をみるにつけ,復興には日本全体のバックアップが必要なことを痛感しました.今回の大震災で被害に遭われた皆様の一日も早い復興を祈念いたしますとともに,つぎの災害によりよく対処できるために災害の検証と対策を講じる必要があると考えます.

基本情報

臨床整形外科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1286

印刷版ISSN 0557-0433

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