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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科47巻5号

2012年05月発行

文献概要

誌上シンポジウム 重度後縦靱帯骨化症に対する術式選択と合併症 頚椎

重度頚椎後縦靱帯骨化と外傷との関連―予防手術の是非

著者: 須田浩太1 上田明希1 飯本誠治1 山口将則1

所属機関: 1北海道中央労災病院せき損センター

ページ範囲:P.421 - P.424

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 「OPLL性頚損」という新たな疾患名を提唱し,その特徴につき解説した.本疾患は非骨傷性頚髄損傷とは似て非なるものであり,軽微な外傷で予後不良の重症四肢麻痺となる症例が少なくない.予防手術の意義は高いが,現時点では適応が不明確であり推奨できない.非連続型OPLLで残余脊柱管面積が100mm2以下の脊髄障害例では早期手術を推奨する.ロコモチェック,10秒テスト(上肢・下肢)による低コストスクリーニングを提案する.

参考文献

1) 藤村祥一,藤原奈佳子,原田征行・他:頸椎後縦靱帯骨化症に対する椎弓形成術の手術成績とQOL.厚生省特定疾患対策研究事業研究報告書 脊柱靱帯骨化症に関する調査研究班平成11年度 152-156,2000
2) 里見和彦,西 幸美,平林 洌:脊柱靱帯骨化症の成績不良因子 高齢,重症例.脊椎脊髄6:911-916,1993
3) 須田浩太,上田明希,楫野知道・他:強直性脊椎骨増殖症の臨床.強直性脊椎骨増殖症に合併した脊椎・脊髄損傷.頸椎および頸胸椎移行部(解説/特集).脊椎脊髄24:205-210,2011
4) Suda K, Taneichi H, Kajino T, et al:Risk factor analysis of tetraplegia after a minor trauma in patients with ossification of the posterior longitudinal ligament―The indication of prophylactic decompression for asymptomatic patients. The Spine Journal 5:78S, 2005
5) 須田浩太:中心性頸髄損傷の治療.中心性頸髄損傷の手術治療.脊椎脊髄21:611-615,2008
6) 末冨 裕,豊田耕一郎,貴船雅夫:脊椎・脊髄損傷の診断と治療戦略.当院における非骨傷性頸髄損傷の検討 後縦靱帯骨化症の影響.Journal of Spine Research 2:991-994,2011
7) 山田裕彦,真壁秀幸,遠藤重厚:後縦靱帯骨化を伴う頸髄損傷25例の検討.日本職業・災害医学会会誌53:30-34,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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