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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科47巻5号

2012年05月発行

文献概要

誌上シンポジウム 重度後縦靱帯骨化症に対する術式選択と合併症 胸椎

重度胸椎後縦靱帯骨化症に対する前方除圧固定法

著者: 進藤重雄1

所属機関: 1九段坂病院整形外科

ページ範囲:P.437 - P.445

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 後縦靱帯骨化は脊髄を前方から圧迫することや,一般に胸椎部は後弯であることから,胸椎後縦靱帯骨化症の観血的治療は前方除圧が合理的であり,当科では胸骨縦割アプローチまたは経胸膜進入による前方進入前方除圧術を第1選択としている.胸椎後縦靱帯骨化症は多椎間に病変を認めたり,黄色靱帯骨化を合併するなど複雑な病態を呈することもあるが,ほとんどにおいて主病変は数椎間にとどまるため,前方除圧固定術単独で対応可能である.前方進入前方除圧術はアプローチ,手術椎間数など一部に制約があるものの手術効果の点で有効な術式である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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