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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科47巻5号

2012年05月発行

文献概要

臨床経験

大腿骨近位部骨折患者の自宅復帰に対する回復期リハビリテーション病棟の有用性

著者: 大石強1 鈴木大介1 山本和史1 坂野友啓1 清水雄太1 水上泰延2 美津島隆3

所属機関: 1JA静岡厚生連遠州病院整形外科 2JA静岡厚生連遠州病院外科 3浜松医科大学付属病院リハビリテーション科

ページ範囲:P.487 - P.491

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 目的は回復期リハビリテーション病棟(以下,回復期病棟)開設が大腿骨近位部骨折患者の自宅復帰に及ぼす影響につき検討することである.対象は60歳以上で受傷前に自宅に居住していた大腿骨近位部骨折患者599例であり,回復期病棟が開設される以前に加療した258例(開設前群)と,開設後に加療した341例(開設後群)に分けた.一般病棟入院日数は開設前群は平均38.7日,開設後群は30.0日と有意に短縮したが(p<0.001),全入院日数は開設後56.1日と長期化した(p<0.001).受傷前と比較した退院時移動能力と入院中術後合併症の頻度について群間に差はなかった.自宅復帰率は開設前は70.9%,開設後は79.2%と有意に増加した(p<0.05).回復期病棟開設により自宅復帰率が向上した.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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