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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科47巻7号

2012年07月発行

文献概要

論述

肩こりの客観的評価および関連要因の検討

著者: 藤井朋子1 松平浩1 野間香12 石塚朗子3 山田浩司14 有阪真由美1 東川麻子2

所属機関: 1労働者健康福祉機構関東労災病院勤労者筋・骨格系疾患研究センター 2株式会社OHコンシェルジュ 3株式会社CLINICAL STUDY SUPPORT 4東京大学医学部整形外科

ページ範囲:P.619 - P.624

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 背景:肩こりはよくある愁訴であるが,病態はよくわかっていない.

 対象と方法:企業の健診時に男83人,女37人,平均36.4歳に対し肩こりの有無や自覚的な程度などの自記式調査と僧帽筋部の筋硬度測定を行った.肩こりの程度と筋硬度に相関があるかを検討した.また肩こりなし群と強い肩こりあり群の特徴を比較した.

 結果:肩こりは女性に多く,自覚的程度も女性が高かった.筋硬度と肩こりの程度とに有意な正の相関はなかった.強い肩こりあり群ではなし群と比べ自覚的な疲労蓄積度が高かった.

 まとめ:肩こりは女性に多く,肩こりと心的ストレスの関与が示唆された.

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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