icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科47巻7号

2012年07月発行

文献概要

症例報告

Ender釘固定成績不良例の考察

著者: 玉木亮1 伊藤匡史2 島本周治2 牧山尚也1 加藤義治2

所属機関: 1軽井沢病院整形外科 2東京女子医科大学整形外科

ページ範囲:P.701 - P.705

文献購入ページに移動
 Ender釘術後に他の内固定具で再手術が必要となった3例を経験した.症例1は挿入nailが短く骨折部での回旋不安定が原因となりnailが折損,脱落した.症例2は免荷が守れずnailの折損が生じた.症例3は片麻痺症例でnail先端が菲薄化した皮質骨を穿破した.Ender釘固定はフレキシブルであり,多くの長管骨骨折に適応があり,低侵襲であるという利点もある.ただし,今回経験した症例のように,Ender法の術後成績はnailの位置,骨強度や後療法によって影響を受けやすく,安定した成績を得ることは決して容易ではない.一方,Ender釘は多発外傷例や低侵襲手術が必要な例に適応があることから,適応を慎重に検討したうえで習熟すべき技術と考える.

参考文献

1) Bartonícek J:Ender nailing in proximal femur fractures part III:Outcomes and analysis of complications. Acta Chir Orthop Traumatol Cech 65(5):262-276, 1998
2) Chao TC, Chou WY, Chung JC, et al:Humeral shaft fractures treated by dynamic compression plates, Ender nails and interlocking nails. Int Orthop 29(2):88-91, 2005
3) Habernek H, Wallner T, Aschauer E, et al:Comparison of ender nails, dynamic hip screws, and Gamma nails in the treatment of peritrochanteric femoral fractures. Orthopedics 23(2):121-127, 2000
4) 河辺憲郎,中村秀明,片田重彦・他:Ender pinningによる骨折癒合の態度に関する実験的研究.犬摘出骨標本におけるEnder pin固定とA-O plate固定の固定強度に関する実験的研究.中部整災誌29:2221-2224,1986
5) 町田拓也,安藤謙一,片田重彦:インターロッキングエンダー釘.図説エンダー法.南江堂,東京,pp142-152,1999
6) 鳥越雄史,野口雅夫,中西秀二・他:上腕骨骨折に対する横止め式髄内釘の使用経験.Ender法との比較.整形外科と災害外科3:245-247,1997
7) Yamaji T, Ando K, Nakamura T, et al:Femoral shaft fracture callus formation after intramedullary nailing:a comparison of interlocking and Ender nailing. J Orthop Sci 7:472-476, 2002
8) 山路哲生,安藤謙一:高齢者の大腿骨顆上骨折に対するエンダー釘の適応と限界.Orthopaedic20:51-57,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら