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あとがき フリーアクセス
著者: 戸山芳昭
所属機関:
ページ範囲:P.716 - P.716
文献購入ページに移動さて,わが日本の現状はどうであろうか.高齢化が進み,医療費や年金を含めた社会保障給付額は100兆円を突破した.国の負債総額も1,000兆円に迫り,国民一人あたりの借金は何と800万円に近づいている.そして,債務残高の国内総生産比は200%と世界最悪である.安定していた長期国債格付けも以前のAAからAAマイナス,そして,つい最近Aプラスへと急降下している.また,生活保護受給者も209万人にのぼり,その支給総額は年間3兆4,000億円に達している.加えて,防衛力を高めるために1機190億円の最新鋭ステルス戦闘機を今後42機(総額8,000億円)購入予定とも聞いている.このように国家財政は極めて厳しい状況下にある.1,200兆円を超えるタンス貯金と低い消費税率,国債の高い国内保有率(95%)などにより,現在のところ財政破綻は免れているが,このままでは近い将来ギリシャと同じ状況に陥るとの指摘がなされている.
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