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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科47巻8号

2012年08月発行

文献概要

症例報告

椎体腹側と脊柱管内に囊腫を合併した骨粗鬆症性圧迫骨折の1例

著者: 岩森秀樹1 内川千恵1

所属機関: 1前橋協立病院整形外科

ページ範囲:P.809 - P.813

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 骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折椎体から発生時期を異にして椎体腹側と脊柱管内に囊腫を生じ,脊柱管内囊腫により神経障害を来した稀な症例を経験した.症例は78歳の女性である.第1腰椎圧迫骨折受傷後2カ月で腰臀部痛の悪化とともに椎体前方に囊腫を生じた.その後,椎体前方の囊腫は消退したが骨折部は偽関節となり,骨折受傷後5カ月で脊柱管内囊腫を合併し,右下肢痛・しびれ・筋力低下を訴えて歩行困難となった.脊柱前方再建術を施行し良好な結果が得られた.偽関節部を安定化させることにより囊腫は消退した.

参考文献

1) 星野雅洋,大森圭太:骨粗鬆症性椎体骨折後遅発性障害に対する手術的治療―後方インストゥルメントを併用したハイドロキシアパタイトブロックによるkyphoplasty.別冊整形外科52:110-116,2007
2) 伊藤康夫,長谷川康裕,戸田一潔:骨粗鬆症性椎体骨折後遅発性圧潰例にみられる椎体内cleftの検討.臨整外37:429-435,2002
3) 岩森秀樹,内川千恵,石嶋秀行:骨粗鬆症性圧迫骨折椎体から発生した囊腫により神経根症をきたした1例.整・災外55:111-114,2012
4) 金田清志,伊東 学,種市 洋・他:骨粗鬆症性胸腰椎圧迫骨折後の進行性椎体圧潰と遅発性障害.臨整外31:463-470,1996
5) 峰  巨,山田 宏,高見正成・他:骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折後の圧潰部に生じた椎体囊腫によって腰部神経根症を生じた1例.整・災外52:1141-1144,2009
6) 村田盛郎,八木秀樹,三島健一・他:第12胸椎椎体圧漬後の偽関節に合併した脊柱管内囊腫様腫瘤にて下肢麻痺を来した1例.J Tohkai Spinal Surg 20:89-96,2006
7) 豊根知明:骨粗鬆症性椎体骨折の病態と治療.J Spine Res 1:60-70,2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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