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医療安全を巡る患者との齟齬
著者: 大川淳1
所属機関: 1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科・先端医療開発学系・先端外科治療学・整形外科学分野
ページ範囲:P.821 - P.821
文献購入ページに移動私たちは患者の自己決定権を保証する目的で,インフォームド・コンセントを充実させてきました.整形外科手術では院内感染,骨癒合不全や神経合併症などが一定の頻度で発生することを説明し,最近では肺梗塞で生命に影響する可能性にも言及します.そのうえでサインをもらい手術に望みますが,ひとたびこうした合併症が実際に起きると,そんなことが起きるのであれば手術をしなかった,過失があるはずだというクレームを受けることになります.もちろん,一部には技術的にも人間的にも未熟な医師が関わる医療事故があることを否定しません.ただ,最終的な結果が悪ければ,過失の有無とは無関係にすべて医師や病院に責任を求める姿勢は,私の理解を超えるときがあります.
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