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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科47巻9号

2012年09月発行

文献概要

連載 整形外科最前線 あなたならどうする?・9

整形外科最前線 あなたならどうする?

著者: 渡邊孝治1 土屋弘行1

所属機関: 1金沢大学附属病院整形外科

ページ範囲:P.885 - P.888

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症例

患者:73歳,男性

主訴:右膝からの排膿

既往歴:C型肝炎,前立腺肥大症

現病歴:11歳時に右下肢の開放骨折を受傷し,多数回の手術を受けた.28歳時に変形治癒に対して矯正骨切り術,41歳時に脛骨近位部の骨部分切除と植皮術を受けた.右下肢は成長障害により短縮し足関節は脚長差による尖足拘縮を認め,膝関節は大腿骨遠位・脛骨近位の骨端の変形と変形性関節症のため,可動域は伸展-25°,屈曲50°程度であった.2010年4月,近くの病院の整形外科で膝の関節水腫に対し穿刺を受け,穿刺部の皮膚が潰瘍化し形成外科に紹介となった.形成外科で保存的に加療を行ったが潰瘍は治癒せず,6月に大腿部よりの皮弁形成術を施行した.術後に皮弁が壊死し排膿を認め,培養でMRSAが検出された.7月,潰瘍部のデブリドマン・持続洗浄を行った(図1)が,感染の鎮静化を得られず,排膿を持続し11月に紹介され受診した.

参考文献

1) Chun JM, Kim JS, Jung HJ, et al : Resection arthroplasty for septic arthritis of the sternoclavicular joint. J Shoulder Elbow Surg 25:361-366, 2011
2) Fehring TK, Odum S, Calton TF, et al : Articulating versus static spacers in revision total knee arthroplasty for sepsis : the Ranawat Award. Clin Orthop 380:9-16, 2000
3) 原田豪人,藤原正利,和田山文一郎・他:化膿性膝関節炎に対する抗生剤入り持続洗浄療法の成績.中部整災誌52:691-692,2009
4) 泉 仁,池内昌彦,山中紀夫・他:化膿性膝関節炎に対する関節機能温存を目指したセメントスペーサー.膝33:330-334,2008
5) 蟹沢 泉,守屋秀繁,土屋明弘・他:化膿性関節炎に対する治療法の検討.膝22:68-71,1996
6) 杉原俊弘,松下和彦,内藤隆広・他:当科における化膿性膝関節炎例の検討.日骨関節感染会誌13:22-24,1999
7) Tsuchiya H, Shirai T, Nishida H, et al : Innovative antimicrobial coating of titanium implants with iodine. J Orthop Sci Jul 18, 2012(Epub ahead of print)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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