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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科47巻9号

2012年09月発行

文献概要

臨床経験

踵骨骨折における腓骨筋腱脱臼の合併率―3D-CTを用いた検討

著者: 小林洋1 茂呂貴知1 小平俊介1 鈴木幹夫1 吉田友彦2

所属機関: 1福島県厚生農業協同組合連合会白河厚生総合病院整形外科 2福島県厚生農業協同組合連合会白河厚生総合病院放射線部

ページ範囲:P.899 - P.902

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 Three-demensional computed tomography(3D-CT)を用いて踵骨骨折に伴う腓骨筋腱脱臼を検討した.踵骨骨折の手術症例43例を対象とし,術前にCTを撮影した.43例中9例に腓骨筋腱脱臼が認められた.機序として,上腓骨筋支帯の断裂や,足関節外果の靱帯付着部の剝離骨折により,腓骨筋腱の前方要素の不安定性を生じて腓骨筋腱脱臼が生じると考えられた.踵骨骨折の治療においては,腓骨筋腱脱臼の合併の有無を検査する必要がある.また,3D-CTは腓骨筋腱脱臼の有無を確認するのに有用である.

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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