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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科47巻9号

2012年09月発行

文献概要

症例報告

上腕骨大結節骨折に対する8の字鋼線締結法後に,裂離型大結節骨折を生じた1例

著者: 入江悠子1 鈴木一秀1 西中直也1 牧内大輔1 永井英1 筒井廣明2 三原研一2

所属機関: 1昭和大学藤が丘病院整形外科 2昭和大学藤が丘リハビリテーション病院スポーツ整形外科

ページ範囲:P.903 - P.907

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 肩関節前方脱臼骨折に伴う上腕骨大結節骨折に対し,軟鋼線による8の字鋼線締結法を施行後に,裂離型大結節骨折を生じたため再手術に至った1例を経験したので報告する.本症例は,本来骨密度の低い大結節の骨折に,脱臼骨折に伴う血行障害と骨膜損傷を来したことで骨脆弱性が進行し,裂離型大結節骨折を生じたものと考えた.本骨折の術後に早期からの骨萎縮像を認めた場合には同部位の裂離骨折を生じる可能性が示唆された.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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