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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科48巻1号

2013年01月発行

文献概要

論述

骨粗鬆症性椎体骨折に対する早期診断・保存的治療の重要性について

著者: 後藤健志1 小川光1 小島哲夫1 溝口知行1 上新淑文1 財津泰久1 村田大1

所属機関: 1溝口外科整形外科病院

ページ範囲:P.5 - P.11

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 背景:骨粗鬆症性椎体骨折に対する早期保存的治療の重要性を確認する.

 対象と方法:骨粗鬆症性椎体骨折患者に施行した軟性コルセット群と体幹ギプス群において,発症後7日以内に治療を開始した症例を,各群でそれ以後に治療を開始した症例とで比較検討した.

 結果:軟性コルセットで治療した安定型は,治療開始時期に関係なく骨癒合率は100%であったが,体幹ギプスで治療した不安定型の骨癒合率は,発症後7日以内に治療開始すれば99%で,それ以後に治療を開始した症例の93.4%より有意に良好な結果であった.

 まとめ:不安定型骨折に対する早期診断・保存的治療の重要性が示された.

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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