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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科48巻1号

2013年01月発行

文献概要

境界領域/知っておきたい

人工筋肉について

著者: 千田益生1

所属機関: 1岡山大学病院総合リハビリテーション部

ページ範囲:P.34 - P.37

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はじめに

 日本人の平均寿命(2012年)は男性79.44歳,女性85.90歳であり,女性は世界で香港に次いで2位,男性は8位となった.東日本大震災などの影響を受けたといわれ,世界的な順位は下がったとはいえ,非常に長寿の国であることは間違いない.2000年にWHO(世界保健機関)が提唱した健康寿命(healthy life expectancy)は,日常生活において心身ともに自立した期間のことであり,平均寿命とは異なった意味で重要である.2012年の日本人の健康寿命は,男性70.4歳,女性73.6歳(2006年では男性71.9歳,女性77.2歳)であり,単純に考えると,健康ではない,あるいは自立した生活が送れていない期間が,男女とも約10年あるということになる.しかも2006年から健康寿命は短縮している.健康寿命から平均寿命の約10年が要介護あるいは要支援状態であると言える.平成12年(2000年)に要介護(要支援)認定を受けたのは256万人であったが経年的に増加し,2008年には467万人,2012年には530万人となった.このように何らかの介護や支援を必要としている人々が非常に多くおられることがよくわかる.リハビリテーション医療(リハ医療)の有効性は今後ますます増加すると考える.そこで,リハ医療をサポートする新技術の一端として,人工筋肉を用いた支援について概説する.

参考文献

1) 則次俊郎,和田 力:ゴム人工筋のロボット制御への応用.日本ロボット学会誌9:502-505,1991
2) 則次俊郎:空気圧アクチュエータ.日本ロボット学会誌15:355-359,1997
3) 則次俊郎:空気圧ソフトアクチュエータと人間親和メカニズム21:722-726,2003
4) 則次俊郎:空気圧ゴム人工筋の開発と人間支援ロボットへの応用.日本AME学会誌14:186-190, 2006
5) 則次俊郎:ソフトアクチュエータ.Actuatorアクチュエータが未来を創る.岡山大学アクチュエータ研究センター(編).産業図書,東京,p101-105,2011
6) 千田益生,則次俊郎:人工筋肉によるリハビリテーション支援.関節外科26:1315-1316,2007
7) 千田益生,則次俊郎:リハビリテーションとアクチュエータ.Actuatorアクチュエータが未来を創る.岡山大学アクチュエータ研究センター(編).産業図書,東京,p201-209,2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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