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人工筋肉について
著者: 千田益生1
所属機関: 1岡山大学病院総合リハビリテーション部
ページ範囲:P.34 - P.37
文献購入ページに移動日本人の平均寿命(2012年)は男性79.44歳,女性85.90歳であり,女性は世界で香港に次いで2位,男性は8位となった.東日本大震災などの影響を受けたといわれ,世界的な順位は下がったとはいえ,非常に長寿の国であることは間違いない.2000年にWHO(世界保健機関)が提唱した健康寿命(healthy life expectancy)は,日常生活において心身ともに自立した期間のことであり,平均寿命とは異なった意味で重要である.2012年の日本人の健康寿命は,男性70.4歳,女性73.6歳(2006年では男性71.9歳,女性77.2歳)であり,単純に考えると,健康ではない,あるいは自立した生活が送れていない期間が,男女とも約10年あるということになる.しかも2006年から健康寿命は短縮している.健康寿命から平均寿命の約10年が要介護あるいは要支援状態であると言える.平成12年(2000年)に要介護(要支援)認定を受けたのは256万人であったが経年的に増加し,2008年には467万人,2012年には530万人となった.このように何らかの介護や支援を必要としている人々が非常に多くおられることがよくわかる.リハビリテーション医療(リハ医療)の有効性は今後ますます増加すると考える.そこで,リハ医療をサポートする新技術の一端として,人工筋肉を用いた支援について概説する.
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