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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科48巻1号

2013年01月発行

文献概要

臨床経験

閉所恐怖症状が上肢ギプス固定に及ぼす影響について

著者: 金谷貴子1 名倉一成1 鷲見正敏1 国分毅2 黒坂昌弘2 西田康太郎2 高宮静男3

所属機関: 1神戸労災病院整形外科 2神戸大学大学院医学系研究科整形外科学分野 3西神戸医療センター精神神経科

ページ範囲:P.73 - P.76

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 上肢手術の術前後に行ったギプス,ギプスシーネまたはアルフェンスシーネ固定に対して不快感や閉塞感を強く訴え閉所恐怖症状を呈した6例を経験した.閉所恐怖症状を確認した後,固定との関連性を説明し,ギプスシーネ,アルフェンスシーネ固定用の包帯または手関節装具のすき間から皮膚をみせることで閉じ込められた空間ではないことを納得させた.不安感を和らげることができ,固定期間を順調に経過した.ギプス固定に不快感を過剰に示したり,自己抜去するような通常ではない反応を示す症例では,閉所恐怖症状の有無を確認することが重要と考える.

参考文献

1) Coelho CM, Goncalves D, Purkis H, et al:Specific phobias in older adults:characteristics and differential diagnosis. Int Psychogeriatr 22:702-711, 2010
2) Lanigan ED, Thomas CE, Basson MD:Intolerance of short arm cast wear by patients with claustrophobia;case report. J Hand Surg 〔AM〕 35:743-745, 2010
3) 名倉一成,金谷貴子,鷲見正敏・他:閉所恐怖症患者に対する上肢手術の術後固定による心因的影響.中部整災誌55:178,2011
4) O¨st LG:The claustrophobia scale:A psychometric evaluation. Behav Res Ther 45:1053-1064, 2006
5) Sutherling WW, Levesque MF, Beumgartuer C:Cortical sensory representation of human hand:size of finger regions and nonover-lapping digit somatotopy. Neurology 42:1020-1028, 1992
6) 高橋三郎,大野 裕,染矢俊幸(訳):DSM-IV-TR精神疾患の診断・統計マニュアル(Diagnostic and statistical manual of mental disorders 4th edition).医学書院,東京,pp426-433,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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