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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科48巻1号

2013年01月発行

文献概要

症例報告

大腿骨転子下骨折を生じたEhlers-Danlos症候群の1例

著者: 山﨑厚郎1 三崎智範1 上田康博1 石黒基1 松本直幸1 瀬川武司1 藤井衛之1 村田淳2

所属機関: 1福井県立病院整形外科 2福井県こども療育センター整形外科

ページ範囲:P.87 - P.90

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 症例は41歳の男性である.生後まもなくEhlers-Danlos症候群(以下,EDS)と診断された.今回玄関先で転倒し,左大腿骨転子下骨折を受傷した.左大腿骨遠位部には骨折後の変形治癒が認められた.また,骨粗鬆症性変化が著しく,骨密度も著明に低下していた.髄内釘にCCGバンドを併用した骨接合術を行った.術後10カ月時点で骨癒合は良好である.骨脆弱性や変形治癒のため内固定方法や,内固定材料の選択に注意を要した.また,関節弛緩性,血管や皮膚の脆弱性などEDSの特徴に対する配慮が必要であった.EDSの骨脆弱性については様々な報告があるが,骨折リスクは決して低くないと考えるべきである.

参考文献

1) Beighton P, De Paepe A, Steinmann B, et al:Ehlers-Danlos syndromes. Am J Med Genet 77:31-37, 1998
2) Carbone L, Tylavsky FA, Bush AJ, et al:Bone density in Ehlers-Danlos syndrome. Osteoporos Int 11:388-92, 2000
3) Coelho PC, Santos RA, Gomes JA:Osteoporosis and Ehlers-Danlos syndrome. Ann Rheum Dis 53:212-213, 1994
4) Deodhar AA, Woolf AD:Ehlers Danlos syndrome and osteoporosis. Ann Rheum Dis 53:841-842, 1994
5) Dolan AL, Arden NK, Grahame R, et al:Assessment of bone in Ehlers Danlos syndrome by ultrasound and densitometry. Ann Rheum Dis 57:630-633, 1998
6) 古庄知己:Ehlers-Danlos症候群,Marfan症候群.小児内科41増刊号:973-980,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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