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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科48巻10号

2013年10月発行

文献概要

誌上シンポジウム 低出力超音波パルス(LIPUS)による骨折治療―基礎と臨床における最近の話題 難治性骨折への臨床応用

舟状骨骨折への低出力超音波パルスLIPUSの臨床応用

著者: 池田和夫1 納村直希1 多田薫2

所属機関: 1金沢医療センター整形外科 2金沢大学整形外科

ページ範囲:P.987 - P.991

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 舟状骨骨折を線状型39例,囊胞型20例,硬化・転位型13例の3型に分け,線状型と囊胞型は骨移植せずスクリュー固定のみを,硬化・転位型には腸骨移植とスクリュー固定を行い,LIPUSを行った.線状型で37例,囊胞型19例に骨癒合を得た.線状型は骨癒合まで2.3±0.2カ月で,硬化・転位型は全例骨癒合し,その期間は5.0±0.7カ月であった.囊胞型でLIPUSを用いない9例の骨癒合期間は3.4±0.5カ月で,用いた10例は2.9±0.2カ月であり,骨癒合までの期間は短い傾向にあった.硬化・転位型はLIPUS併用で全例骨癒合し,囊胞型は併用で骨癒合期間を短縮できる可能性が示唆された.

参考文献

1) Divelbiss BJ, Adams BD:Electrical and ultrasound stimulation for scaphoid fractures. Hand Clinics 17:697-701, 2001
2) 池田和夫,松田正樹,山内大輔・他:舟状骨術後偽関節症例の検討.骨折23:302-305,2001
3) Ikeda K, Osamura N, Tomita K:Percutaneous screw fixation without bone graft for cystic-type scaphoid fracture. J Trauma 65:1453-1458, 2008
4) 池田和夫,納村直希,多田 薫・他:囊胞型を呈する舟状骨骨折に対する低出力超音波パルス療法の効果.骨折32:676-678,2010
5) 水野耕作,山野慶樹,糸満盛憲・他:超音波骨折治療器の遷延癒合・偽関節に対する多施設臨床試験.整・災外46:757-765,2003
6) 佐藤明弘,後藤 均:舟状骨偽関節に対する低出力超音波(LIPUS)治療の経験.日手会誌26:101-104,2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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