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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科48巻12号

2013年12月発行

文献概要

誌上シンポジウム 慢性疼痛と原因療法―どこまで追究が可能か

TRPチャネル(TRPV1,TRPA1)の慢性疼痛への関与と鎮痛

著者: 富永真琴1

所属機関: 1自然科学研究機構岡崎統合バイオサイエンスセンター(生理学研究所)細胞生理研究部門

ページ範囲:P.1175 - P.1178

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 侵害刺激を感知する無髄のC線維に発現する温度感受性TRPチャネルのカプサイシン受容体TRPV1とワサビ受容体TRPA1は,私たちの身体に痛みをもたらすさまざまな侵害刺激によって活性化する.その活性化は急性痛のみならず,慢性の炎症性疼痛,神経障害性疼痛の発生にも関与していることが明らかにされている.TRPV1阻害薬は動物モデルでは慢性疼痛の抑制に有効だが,臨床での効果は今のところ十分ではない.TRPA1も慢性疼痛に関わることが明らかになりつつあるが,ヒトでの知見はいまだ乏しい.

参考文献

1) Andersson DA, Gentry C, Alenmyr L, et al:TRPA1 mediates spinal antinociception induced by acetaminophen and the cannabinoid Delta(9)- tetrahydrocannabiorcol. Nat Commun 2:551, 2011
2) Gees M, Owsianik G, Nilius B, et al:TRP channels. Comp Physiol 2:563-608, 2012
3) Moran MM, McAlexander MA, Biro T, et al:Transient receptor potential channels as therapeutic targets. Nat Rev Drug Discov 10:601-620, 2011
4) Ristoiu V, Shibasaki K, Uchida K, et al:Hypoxia-induced sensitization of transient receptor potential vanilloid 1 involves activation of hypoxia-inducible factor-1 alpha and PKC. Pain 152:936-945, 2011
5) Zhou Y, Suzuki Y, Uchida K, et al:Identification of a splice variant of mouse TRPA1 that regulates TRPA1 activity. Nat Commun 4:2399, 2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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