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著者: 内藤正俊
所属機関:
ページ範囲:P.1256 - P.1256
文献購入ページに移動さて,今月号の誌上シンポジウムは“慢性疼痛と原因療法―どこまで追及が可能か”です.整形外科受診者の主訴のほとんどが痛みであり,慢性疼痛で来院される患者も少なくありません.また整形外科の治療後に発症することもあります.いったん慢性疼痛が発症すると,症状が多彩な難治性疾患になります.筆者も術後に複合性局所疼痛症候群を発症させた苦い経験があります.薬物療法,理学療法,神経ブロックのすべてが無効でした.患者の来院時には筆者の胃も痛むようになり,途方に暮れていた時にPolyglycolic acid-collagen tubeによる末梢神経再生を目にしました.失礼を顧みず,その患者を本シンポジウムの最後を飾っておられる稲田有史博士に藁をもすがる思いで紹介しました.完璧に症状が消失して戻ってきた患者の笑顔に接した時の,牢獄から解放されたような安堵感と治療方法の進歩に対する感動を今も覚えています.今月号はこの慢性疼痛と原因療法についての最新の知識を蓄えるのに絶好の機会です.他にも豊富な話題と実際的に役立つ知識が満載されています.
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