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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科48巻2号

2013年02月発行

文献概要

視座

科学者としての整形外科医―自己の確立と国際化

著者: 名越智1

所属機関: 1札幌医科大学生体工学・運動器治療開発講座

ページ範囲:P.103 - P.104

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 昨今の論文あるいは学会発表などで,ときどき考え込んでしまうのは,この結果からよくぞここまで結論が飛躍できるなあ,である.科学的な根拠に基づかず,自分の感想や思い込み,どこかで得た他人の意見を平気で結論にするような暴挙である.科学者である医師は,自分が呈示したデータをもって,どこまで論理を展開すべきか,さらに,どこまでそれが許されるかを判断しなければならない.昨今,iPS細胞をめぐる虚偽の発表が問題視された.これは極端な例かも知れないが,そこまで至らない大風呂敷的発表があるのも事実である.科学者である整形外科医に求められるのは,たったひとつのことを証明することの難しさ,大変さ,その重要性を認識することと,科学的な論理展開のできる範囲を見極められる自己の確立であると思う.そうでなければ,整形外科の学術雑誌は,週刊誌の域を出ないだろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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