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誌上シンポジウム 高齢者の腱板断裂
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著者: 高岸憲二1
所属機関: 1群馬大学大学院医学系研究科医科学専攻器官制御学整形外科学
ページ範囲:P.106 - P.106
文献購入ページに移動この誌上シンポジウムで山本敦史先生は「健診からみた高齢者の腱板断裂」の中で,75歳以上の高齢者の半数以上に腱板断裂が存在すること,永井英先生は「高齢者の腱板断裂に対する運動療法」の中で,単に疼痛を軽減するだけでなく,残存腱板や周囲筋の機能を引き出し,肩甲胸郭機能を改善させ,無症候性の状態とし,二次的な障害を予防する目的と述べている.北村歳男先生は「高齢者の腱板断裂の続発症」の中で,比較的稀であった「三角筋皮下断裂」,「関節血腫」,肩峰・鎖骨遠位前縁と関節窩上方部の摩耗欠損/上腕骨頭の上方脱臼である「cuff tear arthropathy」が多くみられるようになっていること,およびその対応についても言及し,相澤利武先生は「高齢者の腱板断裂に対する手術成績」の中で,高齢者であっても鏡視下手術で対応できれば良好な成績が期待できるが,変性が進行すると疼痛の改善は望めるが,機能の回復は困難と述べている.濱田一壽先生は「腱板広範囲断裂症例のX線分類と臨床的特徴」で広範囲腱板断裂のX線分類を表し,手術例の術後再断裂率はgrade 2がgrade 1よりも高かったことを述べ,腱板断裂手術は肩峰骨頭間距離が狭小化する前に行うべきと述べている.高齢者であっても腱板断裂の手術を行う場合には,修復が困難になる前に行ったほうがよい.
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