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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科48巻2号

2013年02月発行

文献概要

臨床経験

褥瘡から発生した脊髄損傷患者の化膿性股関節炎に対する股関節切除術

著者: 渡辺偉二1 吉野正昭1 青木千恵1

所属機関: 1神奈川リハビリテーション病院整形外科

ページ範囲:P.179 - P.183

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 背景:脊髄損傷患者では褥瘡から化膿性股関節炎を発症することがあり,治療に難渋することがある.これらの症例の手術成績を調査した.

 対象と方法:褥瘡から発症した脊髄損傷患者の化膿性股関節炎に対して股関節切除術を施行した16例19股を対象とした.

 結果:19股のうち13股(68%)は初回手術で治癒した.残りの6股は再手術を要した.大腿骨頚部での股関節切除例よりも大腿骨転子下での切除例のほうが初回手術での治癒率が高かった.

 まとめ:転子下での股関節切除が望ましいが,術後の座位バランス・車椅子移乗動作への影響を考慮する必要がある.

参考文献

1) Grauer JD, Amstutz HC, O'Carroll PF, et al:Resection arthroplasty of the hip. J Bone Joint Surg Am 71:669-678, 1989
2) 畠 慎也,村佳雅彦,藤井 暁・他:褥瘡から発生した化膿性股関節炎の治療経験.形成外科42:933-938,1999
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4) Milgram JW, Rana NA:Resection arthroplasty for septic arthritis of the hip in ambulatory and nonambulatory adult patients. Clin Orthop 272:181-191, 1991
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6) 豊永敏宏,河津隆三:化膿性股関節炎を併発した褥瘡の処置.日脊障医誌16:126-127,2003
7) 吉田益喜,手塚 正:股関節離断によって治癒した化膿性股関節炎・化膿性腸腰筋炎を併発した左大転子部褥瘡の1例.褥瘡会誌6:45-50,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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