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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科48巻4号

2013年04月発行

文献概要

症例報告

上殿皮神経内側枝の絞扼性神経障害に対して筋膜開口部の開放術を行った1例

著者: 林和憲1 長野純二2

所属機関: 1大阪市立総合医療センター整形外科 2聖隷浜松病院せぼねセンター

ページ範囲:P.419 - P.423

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 患者は73歳の男性で,主訴は腰痛による歩行困難であった.腰部脊柱管狭窄症に対して開窓術を施行した半年後から,腰痛出現と下肢痛の再燃があり,椎間孔拡大術と鎮痛薬内服で下肢痛は改善したが腰痛には無効であった.腰痛は腸骨稜付近に限局し,圧痛点への局所麻酔薬注射のみが有効であったことから,右上殿皮神経の絞扼性障害を疑った.保存的治療で持続的な症状の改善が得られないため顕微鏡下神経開放術を施行した.術後4カ月の現在,腰痛改善率は70%である.同神経の絞扼性障害は腰椎手術を契機として生じる可能性があり,開放術が有効であった.

参考文献

1) Aly TA, Tanaka Y, Aizawa T, et al:Medial superior cluneal nerve entrapment neuropathy in teenagers:A report of two cases. Tohoku J Exp Med 197:229-231, 2002
2) 国谷 洋,青田洋一,齋藤知行・他:上殿皮神経絞扼の解剖学的研究.J Spine Res 2:1028-1031,2011
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5) Maigne JY, Doursounian L:Entrapment neuropathy of the medial cluneal nerve:nineteen cases surgically treated, with a minimum of 2 year's follow-up. Spine 22:1156-1159, 1997
6) 矢崎 進,大脇義宏,浦田士郎・他:後方腸骨採骨部痛と上殿皮神経の走行様式.整形外科48:397-403,1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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