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雑誌目次

雑誌文献

臨床整形外科48巻5号

2013年05月発行

雑誌目次

視座

国に杖つく? 超高齢社会と運動器

著者: 高木理彰

ページ範囲:P.441 - P.441

 『礼記』は周から漢の時代にかけて儒学者がまとめた礼に関する書物を編纂したもので,その中の「王制」篇では高齢者の恩典が記され,老人が杖をついてよい場所を50歳で家の中,60歳で住まいする地域,70歳では国中としている.80歳では朝廷でも杖をつくことも許された.転じて,郷に杖つく(杖郷),国に杖つく(杖国)は,それぞれ60歳,70歳になることをさす.

 65歳以上人口が15%を占めると高齢社会,22%以上は超高齢社会と言うそうで,2005年に超高齢社会となった日本の高齢化率は,2年前の調査で23%を超えた.山形県の高齢化率は28%に迫り,全国第5位.山間部では36%を超える地域もある.大学病院の救急外来に搬送される高齢者の割合は大きくなる一方で,整形外科病棟で治療を受ける患者の高齢化からも超高齢社会の運動器医療の現実がみてとれる.ご高齢の方はさまざまな併存症や障害を抱えている場合が多く,あれこれ合併症のリスクなどに苦労しながら治療にあたっている.

調査報告

骨粗鬆症診断において,FRAX®は,骨密度測定部位による治療介入対象者の違いを補うことができるか?―1次スクリーニングを含めたFRAX®有効利用の検討

著者: 金谷幸一 ,   島本周治 ,   加藤義治

ページ範囲:P.443 - P.448

 背景:同一人物でも測定部位により骨密度が違うため,治療介入対象者が変わることが予想される.

 対象と方法:本研究は①FRAX®がこの違いを補えるか,②FRAX®の健診への応用について検討した.対象は50~74歳,3部位の骨密度を測定した74人である.

 結果:治療介入要否の一致率は,腰椎と橈骨遠位1/3で79.7%,大腿骨頚部と橈骨遠位1/3で70.3%と違い,FRAX®を加味しても一致率は上がらなかった.また,FRAX®と腰椎骨密度を基準に治療介入要否の感度・特異度を検討した.カットオフ値は9.6%だが,約40%の要治療者が対象外となった.

 まとめ:健診で治療不要な人を約90%除外するためのカットオフ値は6.8%であった.

整形外科/知ってるつもり

肋骨を用いた円筒状自家骨軟骨移植―肘関節,手指関節の再建

著者: 島田幸造

ページ範囲:P.450 - P.453

■はじめに

 関節軟骨は関節液の浸透によって栄養される無血管組織であり,いったん損傷されると再生しない.そこで,その損傷を移植などで修復しようとするが,軟骨単独移植では先に述べたその無血管組織という不利な条件から,たとえ自家組織でも生着が難しい.一方,骨軟骨移行部をそのまま移植する自家骨軟骨移植は,軟骨面をその土台である軟骨下骨ごと再建して生着させることができる,現時点で極めて信頼度の高い関節面再建方法である.

 肋軟骨は組織学的に関節軟骨と性状が近い硝子軟骨でできており7),また左右に各12本あり,うち1~2本を使っても採取部の障害が極めて少ない.従来から顎関節5)や手指2),手根骨6),肘4,8)など上肢の関節面再建に用いられてきた歴史のあるこの肋骨の骨軟骨移行部を,われわれは確実な生着と関節面の良好な再建を目指して,レシピエント側に円筒状の骨孔を作ってプレスフィットさせる円筒状自家肋骨軟骨移植術を開発し,肘関節や手指関節の再建を行っている9)

最新基礎科学/知っておきたい

筋由来サイトカイン myokine

著者: 杉本研 ,   楽木宏実

ページ範囲:P.454 - P.457

■はじめに

 脂肪組織が単なるエネルギー貯蔵庫ではなく,サイトカイン(アディポサイトカイン)を分泌する内分泌臓器であることは,現在異論の余地はないが,骨格筋も運動器や糖代謝器官としての役割だけではなく,運動後にサイトカインやペプチドを産生することが最近報告されており,注目されている.骨格筋から産生されるサイトカインには,IL-6など既知のものも存在し,autocrine/paracrine作用を発揮することがわかってきている.本稿では,筋由来サイトカイン(以下,myokine)について,代表的なサイトカインとその作用,さらにその意義について概説する.

境界領域/知っておきたい

気象痛と対策

著者: 佐藤純

ページ範囲:P.458 - P.461

気象痛の調査研究

 慢性痛が気象変化の影響を受けて悪化したり緩解したりすることは経験的によく知られている.本誌の主な読者である整形外科医が診療する患者の訴えとしても少なくない.このような疼痛を「気象痛」あるいは「天気痛」と呼び,生気象学では気象変化の影響を受けやすいと考えられるその他の病態(うつ病,心臓疾患,めまい,喘息など)とともに「気象病」と総称している.

 天気の変化と疼痛についての国内外の報告をまとめてみると,気象要素のうち気圧,気温,湿度の変化と降雨,雷,風が痛みの増悪因子である.疾患としては,腰痛,頚部痛,外傷治癒後の疼痛(骨折痛,瘢痕痛),片頭痛,三叉神経痛,ヘルペス後神経痛,神経絞扼症候群など,さまざまな疼痛疾患について報告があるが,特に関節リウマチ,変形性関節症,線維筋痛症の報告例が多い12)

連載 特別講義 整形外科の歴史・1【新連載】

「先天性」股関節脱臼の治療史―CDHからDDHへ

著者: 小野啓郎

ページ範囲:P.462 - P.469

 「先天性股関節脱臼(CDH)という病名を,発育性股関節脱臼もしくは股関節形成不全(DDH)という病名に換えるべきだ」という意見が強くなった.

 先天性股関節脱臼(congenital dislocation of the hip joint:CDH)は,いわば整形外科のホームグラウンドである.そのCDH天動説が地動説に取って代わるに等しいから,整形外科医にとっては衝撃であろう.しかし先天性脱臼は予防ができないのに対して,発育性脱臼なら予防の可能性もあるはず.だとすれば患者にとっては福音であり,その影響するところは大きい.

整形外科最前線 あなたならどうする?・17

整形外科最前線 あなたならどうする?

著者: 飯塚伯 ,   高岸憲二 ,   中島飛志

ページ範囲:P.471 - P.473

症例

症例:40歳,男性

主訴:両下肢麻痺,膀胱直腸障害

既往歴:特記すべきことなし

現病歴:スキー滑走中に支柱に衝突した.直後から両下肢麻痺が出現した.ドクターヘリで当院に搬送された.

入院時現症:神経学的所見として,第4胸椎(T4)高位以下において知覚の完全脱出を認め,また両下肢ともに完全麻痺を認めた.

知ってますか?整形外科手術の変遷・14

脊柱後弯症の手術(第2回)

著者: 竹光義治

ページ範囲:P.474 - P.482

(48巻4号から続く)

円背型重度後弯症に対する矯正手術

2.Smith-Petersen脊椎骨切り術による大動脈の破裂,その他の重篤な合併症について

 1956年,Lichtblauら31)は強直性脊椎炎の高度後弯例に麻酔下で後弯を徒手的に矯正中,惹起された大動脈断裂による1死亡例について(間接的ではあるが)初めて報告した.症例は35歳の男性で,前に放射線治療(2,000r)が施された既往があった.1回目の麻酔下の矯正操作でかなり矯正されたが,術後強い痛みに耐えられず元の変形に戻ったため,5週後同じく麻酔下に仰臥位で前胸部と骨盤を圧迫して矯正していたところ突然心肺停止となり死亡した.剖検でL1/2間の椎間前方に3cmの離開があり,同部に一致して大動脈後壁に完全横断裂が認められた(図12).大動脈に石灰化はなかったが,前縦靱帯との間の癒着が原因と考えられた.

成長期のスポーツ外傷・障害と落とし穴・30

肘関節

著者: 菅田耕 ,   帖佐悦男

ページ範囲:P.483 - P.485

診断のポイント

 医療面接(問診)による受傷状況の確認,症状の出現時期,腫脹部位,詳細な圧痛部位の確認を行う.小・中学生などの骨端線が閉鎖していない時期には筋・腱実質ではなく,骨端核障害や裂離骨折などとして発症することが多い.本症例のように,X線上明らかな異常所見を認める場合は診断に難渋することはないが,骨端障害や転位の少ない裂離骨折などでは健側との比較が重要となる.また,tangential view(肘関節45°屈曲位正面像)は上腕骨小頭離断性骨軟骨炎や内側側副靱帯起始部裂離骨折・内側上顆骨軟骨障害の診断に有用である.内側側副靱帯障害や上腕骨内側上顆回内屈筋群付着部に由来する障害などでは誘発テスト(外反ストレステスト,回内筋群の抵抗テスト)が重要となる3).さらに必要に応じて超音波検査,CT,MRIなども行う必要がある.

臨床経験

大腿骨近位部骨折後の歩行能力の変化および予後因子の検討

著者: 磯村巧 ,   新美塁 ,   中西加菜 ,   高橋佳史 ,   福田孝二 ,   西原淳 ,   河野稔文 ,   河野稔彦

ページ範囲:P.487 - P.491

 背景:大腿骨近位部骨折患者は増加している.骨折後の歩行能力や予後について検討した.

 対象と方法:対象は大腿骨近位部骨折171例である.骨折後の歩行状態の変化とそれに関係する因子,累積生存率について検討した.

 結果:46%の症例で歩行能力は再獲得されていた.入院時ヘモグロビン(Hb)値が歩行能力低下と有意な相関関係を認めた.累積生存率は12カ月で91%であり,骨折前の歩行能力が高い群のほうが予後は良好であった.

 まとめ:入院時Hb値が低い患者は,術後に歩行能力が低下していた.骨折後の累積生存率は良好であった.

腰部脊柱管狭窄症に対する後方除圧術の術式による比較研究―片側進入両側除圧術と棘突起骨切りアプローチによる椎弓切除術

著者: 岡本弦 ,   西口薫 ,   廣瀬彰

ページ範囲:P.493 - P.496

 腰部脊柱管狭窄症に対する2つの術式を比較検討した.対象は片側進入両側除圧術28例と棘突起骨切りアプローチによる椎弓切除術19例である.日本整形外科学会腰痛疾患治療成績判定基準(JOAスコア)は両群とも術後有意に改善したが,改善率は骨切り群で有意に優っていた.最終調査時の腰痛は全くないか,あっても鎮痛薬を要さない程度のものがほとんどであった.術後に不安定性が増大した症例はなかった.棘突起骨切りアプローチによる椎弓切除術は,広い視野のもと安全に除圧が行える有用な術式である.

高校女子スポーツ選手における膝前十字靱帯損傷の発生と心理学的競技能力の関連性

著者: 小坂正裕 ,   中瀬順介 ,   虎谷達洋 ,   大橋義徳 ,   島洋祐 ,   北岡克彦 ,   土屋弘行

ページ範囲:P.497 - P.501

 目的:高校女子スポーツ選手において膝前十字靱帯(ACL)損傷の発生と心理学的競技能力の関連性を前向きに調査すること.

 対象と方法:高校女子ハンドボール部・バスケットボール部員101例に対し,入学時に心理学的競技能力診断検査(DIPCA.3)を行い,卒業までの3年間でのACL損傷の発生を記録した.

 結果:6例(5.9%)にACL損傷が発生した.DIPCA.3の総得点および多くの項目で損傷群が有意に高得点を示した.

 まとめ:選手の心理学的競技能力特性はACL損傷の危険因子の1つである可能性が示された.

骨粗鬆症性腰椎椎体骨折に伴う椎間孔狭窄症―画像的特徴と手術法の検討

著者: 大橋正幸 ,   山崎昭義 ,   勝見敬一 ,   庄司寛和 ,   渡辺慶 ,   矢尻洋一 ,   保坂登 ,   森田修 ,   遠藤直人

ページ範囲:P.503 - P.506

 背景:骨粗鬆症性腰椎椎体骨折に伴う椎間孔狭窄症の病態や治療に関する報告は少ない.

 対象と方法:手術治療を行った22例を対象とし,椎間孔狭窄の病態と術式別の臨床成績を検討した.

 結果:約82%は当該椎間孔の上位椎体尾側終板骨折を合併していた.手術術式では,後方除圧固定術と後方固定術の臨床成績は同等であった.

 結論:椎体尾側終板骨折に下肢痛を伴っている場合,椎間孔狭窄の関与を念頭に置くべきである.手術では後方要素をできる限り温存した後方固定術が望ましいと考える.

症例報告

同側の大腿骨遠位部と脛骨近位部に発症した多中心性骨巨細胞腫の1例

著者: 野仲聡志 ,   篠崎哲也 ,   齋藤健一 ,   柳川天志 ,   高岸憲二

ページ範囲:P.507 - P.512

 多中心性骨巨細胞腫(multicentric giant cell tumor;MCGCT)は非常に稀な良性骨腫瘍である.今回われわれは同症例を経験したので,若干の文献的考察を踏まえ報告する.対象は26歳の男性で主訴は右膝関節の腫脹・疼痛であった.前医で脛骨近位骨巨細胞腫(GCT)の診断で,骨掻爬・人工骨移植が行われた.1カ月後再び右膝関節の疼痛を,大腿骨遠位に同様の骨溶解性腫瘍を認めた.同部位に針生検をし,病理診断から大腿骨遠位に発生したGCTと診断され,骨掻爬術を施行した.本症例は脛骨腫瘍の発症時に大腿骨遠位部にも溶骨性病変を認めたことから,同時発生のMCGCTと考えた.術前の血清TRACP-5b値は骨腫瘍掻爬術後速やかに著減し,その後再発が生じなかった約18カ月間,上昇しなかった.このことから,血清TRACP-5b値はGCT症例の診断・治療に際し,簡便な指標になりうると考えた.良性骨腫瘍における腫瘍掻爬術後の骨移植は,術後の早期再発発見の妨げになる可能性もあり,必ずしも必要ないと考えたが,今後さらなる検討が必要である.

大胸筋を含む広範囲筋萎縮を呈した頚椎症性筋萎縮症の1例

著者: 辻井聡 ,   河村光廣 ,   浅野雅敏 ,   藤原桂樹

ページ範囲:P.513 - P.516

 大胸筋を含む上肢の広範囲な筋萎縮を呈した,非常に稀な頚椎症性筋萎縮症の1例を報告する.症例は37歳の男性で,右側優位な両上肢の筋萎縮と脱力が主訴であった.大胸筋を含む広範囲な筋萎縮を認めたが,感覚障害や下肢症状は認めず,C3/4~C6/7高位で右側優位な脊髄圧迫を示すMRI所見から頚椎症性筋萎縮症と考えられた.神経内科で運動ニューロン病は否定的と診断され,頚椎椎弓形成術を施行した.術後1年経過し症状の増悪は認めず,近位筋優位に筋力回復を認めている.広範囲に及ぶ脊髄圧迫による前角障害が原因と考えられた.

遷延治癒を起こした第4足趾末節骨-中節骨癒合骨骨折に対してvariable pitch headless compression screwを用いて手術した1例

著者: 飛田正敏 ,   市本裕康 ,   勝部浩介 ,   河野大助 ,   野崎健治 ,   中島大介 ,   齊鹿稔

ページ範囲:P.517 - P.520

 第4足趾末節骨-中節骨癒合骨骨折に対してvariable pitch headless compression screwを用いて手術した1例を報告する.患者は42歳の女性で,歩行中,誤って柱に右第4足趾をぶつけて受傷し,同日初診した.初診時単純X線像では第4足趾の末節骨と中節骨の癒合骨に横走する骨折線を認めた.当初,保存的に治療したが,骨折部の転位が徐々に増大して疼痛も持続したため,受傷後15週で手術した.手術は趾間ブロック後に趾尖部からAcutrak 2® micro screwを挿入した.術後2カ月で骨癒合し,術後1年の現在,圧痛,歩行時痛とも消失している.

縦断裂を伴った短腓骨筋腱脱臼の1例

著者: 大森隆昭 ,   渡邊孝治 ,   松原秀憲 ,   野村一世 ,   土屋弘行

ページ範囲:P.521 - P.524

 縦断裂を伴った短腓骨筋腱脱臼の1例を報告する.本症例では腓骨筋腱の弾発感や外果上の索状物など腓骨筋腱脱臼に特徴的な身体所見は認めなかった.CTでは外果外側面に陥凹像を認め,MRIでは短腓骨筋腱の縦断裂と断裂の前方部の陥凹部への脱臼像を認めた.手術は短腓骨筋腱の整復・縫合とDas De変法による上腓骨筋腱支帯の再建術を行った.短腓骨筋腱断裂を伴った脱臼の報告は極めて稀である.短腓骨筋腱の縦断裂は足関節外側部痛を訴える症例では決して稀ではなく,疑うことが重要である.診断にはMRIが有用である.

有鉤骨体部骨折偽関節によるGuyon管症候群の1例

著者: 浅野研一 ,   井上五郎 ,   佐伯将臣 ,   申正樹 ,   三重野琢磨

ページ範囲:P.525 - P.528

 症例は48歳の男性でモーターボートのレース中に左手をハンドルで打って受傷した.左環指・小指掌側のしびれ,左手の脱力があり.受傷後3カ月で当科を受診した.母指内転筋,骨間筋の萎縮を認め,単純X線正面像で有鉤骨体部近位部に骨折を認めた.術中所見で有鉤骨は偽関節となっており,尺骨神経は有鉤骨偽関節の骨性隆起部により持ち上げられ,豆状骨・有鉤骨間のtendinous archにより圧迫されていた.Tendinous archを切離し,膨隆部を削って,尺骨神経を除圧した.術後4カ月で母指内転筋,骨間筋の萎縮は改善し,環指・小指掌側の知覚障害も改善を認めた.

Subcutaneous sacrococcygeal ependymomaの脊椎転移に対し多数回の手術を行った1例

著者: 吉岡克人 ,   村上英樹 ,   出村諭 ,   加藤仁志 ,   藤巻芳寧 ,   川原範夫 ,   富田勝郎 ,   土屋弘行

ページ範囲:P.529 - P.534

 Subcutaneous sacrococcygeal ependymomaの脊椎転移を来した非常に稀な1症例を経験した.43歳時に仙骨部のmyxopapillary ependymomaを切除し,50歳時にT9への転移に対し手術したものの再発した.しかしながら15年にわたり,重度の麻痺を来す前に手術を繰り返したことで,日常生活の自立を維持できている.緩徐発育性である本症例のような腫瘍では,脊椎転移の再発例であっても,脊髄機能の温存と脊柱安定性の獲得をあきらめず治療していくことが必要である.

INFORMATION

第4回スポーツメディスンフォーラム フリーアクセス

ページ範囲:P.448 - P.448

日時:2013年6月2日(日)9:00~16:00

*前日の6月1日(土)16:00~18:00に合同ワークショップ開催

 (第23回関西臨床スポーツ医・科学研究会合同)

場所:大阪大学銀杏会館(医学部学友会館) 〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-2

第38回日本足の外科学会・学術集会 フリーアクセス

ページ範囲:P.457 - P.457

学会テーマ:STEP FORWARD 更なる飛躍のために

会期:2013年10月31日・11月1日

演題募集予定期間:2013年4月16日~6月18日

会場:仙台国際センター

ISCRA Asia 2013 (International Symposium on Cartilage Repair of the Ankle -Asia 2013-) フリーアクセス

ページ範囲:P.473 - P.473

会期:2013年8月2日(金)

会場:アカデミーヒルズ六本木(〒106-6149 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ)

第47回日本側彎症学会 フリーアクセス

ページ範囲:P.482 - P.482

会期:2013年10月23日(水)・24日(木)

会場:ザ・クラウンパレス新阪急高知(〒780-8561 高知県高知市本町4-2-50)

第24回日本末梢神経学会学術集会 フリーアクセス

ページ範囲:P.491 - P.491

会期:2013年(平成25年)8月23日(金)・24日(土)

会場:朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター

   (〒950-0078 新潟市中央区万代島6-1 TEL:025-246-8400)

第21回日本腰痛学会 フリーアクセス

ページ範囲:P.501 - P.501

会期:2013年(平成25年)11月1日(金)・2日(土)

会場:JPタワー ホール&カンファレンス〔東京都千代田区丸の内二丁目7番2号(東京駅徒歩1分 旧東京中央郵便局舎跡)〕

第121回中部日本整形外科災害外科学会・学術集会 フリーアクセス

ページ範囲:P.528 - P.528

テーマ:整形外科のプロフェッショナリズム

会 期:2013年10月3日(木)・4日(金)

会 長:石黒直樹(名古屋大学大学院医学系研究科整形外科学講座)

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欧文目次 フリーアクセス

ページ範囲:P. - P.

次号予告 フリーアクセス

ページ範囲:P.537 - P.537

投稿規定 フリーアクセス

ページ範囲:P.538 - P.538

文献の書き方 フリーアクセス

ページ範囲:P.539 - P.539

あとがき フリーアクセス

著者: 内藤正俊

ページ範囲:P.540 - P.540

 3月15日に安倍晋三首相が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への交渉参加を表明されました.TPPは民主党政権の時からの懸案事項であり,幅広い分野を対象とした自由度の高い包括的な連携協定です.輸出の伸びが期待される大手企業の製造関係者にとっては朗報になります.一方,関税の撤廃により諸外国から米などの安い農作物の流入が予想される農業界はとても心配しています.肝心の医学・医療分野への影響が気懸かりです.現在,医薬品や医療機器の輸出入の自由化,医療関連人材の受け入れや流出の活性化,医療保険への海外からの参入,混合診療の解禁,医学・医療の営利産業化などが考えられており,賛否両論が渦巻いているようです.肯定的には医学研究や医療技術の競争の激化によりレベルが向上すると考えられています.また,現在の公的医療保険制度と経済状態が続くことで危惧される“医療が平等に貧しくなる”ことからの脱却も期待されています.一方,高額な医薬品・医療機器の普及や医療技術の高度化・高価格化により医療費が高騰する恐れがあります.また混合診療の拡大による公的医療保険制度の縮小や崩壊も懸念されています.何だか市場原理主義が生んだ先端医療の華々しさの陰に無保険者が6人に1人の割合でいる米国の医療を彷彿とさせます.

 さて,今月号の視座は,未曾有の超高齢社会の到来と膨大な国債残高で喘いでいるわが国の今後の運動器診療についての卓見です.現在の経済状況のまま社会保障費が急上昇し続けると診断方法や治療手段がさらに制約を受ける懸念があります.冒頭に述べたTPPへの参入の功罪を含め将来の医療経済のあるべき姿についての議論が必要になっています.連載には竹光義治旭川医科大学名誉教授の「脊柱後弯症の手術」と小野啓郎大阪大学名誉教授の「『先天性』股関節脱臼の治療史」があり,それぞれの歴史的背景と発展してきた経緯を具に知る絶好の機会です.調査報告,臨床経験,症例報告などにも豊富な話題とともに実際的に役立つ知識が満載されています.

基本情報

臨床整形外科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1286

印刷版ISSN 0557-0433

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