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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科48巻5号

2013年05月発行

文献概要

調査報告

骨粗鬆症診断において,FRAX®は,骨密度測定部位による治療介入対象者の違いを補うことができるか?―1次スクリーニングを含めたFRAX®有効利用の検討

著者: 金谷幸一12 島本周治2 加藤義治2

所属機関: 1蓮田病院整形外科 2東京女子医科大学医学部整形外科

ページ範囲:P.443 - P.448

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 背景:同一人物でも測定部位により骨密度が違うため,治療介入対象者が変わることが予想される.

 対象と方法:本研究は①FRAX®がこの違いを補えるか,②FRAX®の健診への応用について検討した.対象は50~74歳,3部位の骨密度を測定した74人である.

 結果:治療介入要否の一致率は,腰椎と橈骨遠位1/3で79.7%,大腿骨頚部と橈骨遠位1/3で70.3%と違い,FRAX®を加味しても一致率は上がらなかった.また,FRAX®と腰椎骨密度を基準に治療介入要否の感度・特異度を検討した.カットオフ値は9.6%だが,約40%の要治療者が対象外となった.

 まとめ:健診で治療不要な人を約90%除外するためのカットオフ値は6.8%であった.

参考文献

を用いた高骨折リスク者スクリーニング基準の検討.Osteoporosis Jpn19:426-430,2011
2) Donaldoson MG, Palermo L, Schousboe JT, et al:FRAX and risk of vertebral fractures:The fracture intervention trial. J Bone Miner Res 24:1793-1799, 2009
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10) 折茂 肇:骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2011年版.ライフサイエンス出版,東京,pp54-55,2011
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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