icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科48巻5号

2013年05月発行

文献概要

臨床経験

大腿骨近位部骨折後の歩行能力の変化および予後因子の検討

著者: 磯村巧1 新美塁2 中西加菜1 高橋佳史1 福田孝二1 西原淳2 河野稔文2 河野稔彦2

所属機関: 1富田浜病院リハビリテーション科 2富田浜病院整形外科

ページ範囲:P.487 - P.491

文献購入ページに移動
 背景:大腿骨近位部骨折患者は増加している.骨折後の歩行能力や予後について検討した.

 対象と方法:対象は大腿骨近位部骨折171例である.骨折後の歩行状態の変化とそれに関係する因子,累積生存率について検討した.

 結果:46%の症例で歩行能力は再獲得されていた.入院時ヘモグロビン(Hb)値が歩行能力低下と有意な相関関係を認めた.累積生存率は12カ月で91%であり,骨折前の歩行能力が高い群のほうが予後は良好であった.

 まとめ:入院時Hb値が低い患者は,術後に歩行能力が低下していた.骨折後の累積生存率は良好であった.

参考文献

1) 萩野 浩:大腿骨頸部骨折の発生状況.Osteoporosis Jpn 10:18-20,2002
2) 奥秋 保,長谷川和寿,中村秀紀・他:超高齢者における大腿骨近位部骨折術後歩行能力の検討.別冊整形外科52:281-285,2007
3) 折茂 肇,坂田清美:厚生労働科学研究長寿科学総合研究事業骨粗鬆症におけるテーラーメイド医療の確立に関する研究班:第四回大腿骨頸部骨折全国頻度調査成績 2002年における新発生患者数の推定と15年間の推移.日本医事新報4180:25-30,2004
4) Kannegaard PN, van der Mark S, Eiken P, et al:Excess mortality in men compared with women following a hip fracture. National analysis of comedications, comorbidity and survival. Age Ageing 39:203-209, 2010
5) 簡易生命表:国民衛生の動向,厚生統計協会,東京,2010
6) Kyo T, Takaoka K, Ono K:Femoral neck fracture. Factors related to ambulation and prognosis. Clin Orthop 292:215-222, 1993
7) Koval KJ, Maurer SG, Su ET, et al:The effects of nutritional status on outcome after hip fracture. J Orthop Trauma 13:164-169, 1999
8) 里中東彦,植村和司,倉田竜也・他:高齢者大腿骨近位部骨折の検討 60~89歳と90歳以上高齢者の比較.整形外科61:961-965,2010
9) 福井尚志,渡部欣忍,松下 隆・他:大腿骨頸部/転子部骨折の予後.整・災外53:893-902,2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら