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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科48巻5号

2013年05月発行

文献概要

症例報告

大胸筋を含む広範囲筋萎縮を呈した頚椎症性筋萎縮症の1例

著者: 辻井聡1 河村光廣1 浅野雅敏1 藤原桂樹1

所属機関: 1大阪府立急性期・総合医療センター整形外科

ページ範囲:P.513 - P.516

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 大胸筋を含む上肢の広範囲な筋萎縮を呈した,非常に稀な頚椎症性筋萎縮症の1例を報告する.症例は37歳の男性で,右側優位な両上肢の筋萎縮と脱力が主訴であった.大胸筋を含む広範囲な筋萎縮を認めたが,感覚障害や下肢症状は認めず,C3/4~C6/7高位で右側優位な脊髄圧迫を示すMRI所見から頚椎症性筋萎縮症と考えられた.神経内科で運動ニューロン病は否定的と診断され,頚椎椎弓形成術を施行した.術後1年経過し症状の増悪は認めず,近位筋優位に筋力回復を認めている.広範囲に及ぶ脊髄圧迫による前角障害が原因と考えられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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