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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科48巻5号

2013年05月発行

文献概要

症例報告

有鉤骨体部骨折偽関節によるGuyon管症候群の1例

著者: 浅野研一1 井上五郎2 佐伯将臣3 申正樹3 三重野琢磨3

所属機関: 1浜松医療センター整形外科 2整友会豊橋整形外科江崎病院 3豊橋市民病院整形外科

ページ範囲:P.525 - P.528

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 症例は48歳の男性でモーターボートのレース中に左手をハンドルで打って受傷した.左環指・小指掌側のしびれ,左手の脱力があり.受傷後3カ月で当科を受診した.母指内転筋,骨間筋の萎縮を認め,単純X線正面像で有鉤骨体部近位部に骨折を認めた.術中所見で有鉤骨は偽関節となっており,尺骨神経は有鉤骨偽関節の骨性隆起部により持ち上げられ,豆状骨・有鉤骨間のtendinous archにより圧迫されていた.Tendinous archを切離し,膨隆部を削って,尺骨神経を除圧した.術後4カ月で母指内転筋,骨間筋の萎縮は改善し,環指・小指掌側の知覚障害も改善を認めた.

参考文献

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2) 小平 聡,児島忠雄,福本恵三・他:尺骨神経管症候群17例の検討.日手会誌24:1-4,2007
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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