文献詳細
連載 成長期のスポーツ外傷・障害と落とし穴・32
文献概要
診断のポイント
1) 左上肢から転落して受傷し,肘関節から前腕の著しい腫脹と肘関節の自動運動困難を認めた.
2) 肘関節X線撮影は,正側2方向撮影が基本である.しかし,受傷直後で脱臼を伴っている場合は困難であるが,より詳細な観察には4方向撮影が望ましい.本症例では,X線検査で左肘後方脱臼と診断した.本症例は17歳であり,骨端線はほぼ閉鎖していた.しかし,成長期の肘関節の外傷で軟骨成分が多い場合には,骨折の正確な診断のために健側のX線像と比較する必要がある.
3) より詳細な骨折および軟部組織損傷の評価には,CT,MRIが有効である.
1) 左上肢から転落して受傷し,肘関節から前腕の著しい腫脹と肘関節の自動運動困難を認めた.
2) 肘関節X線撮影は,正側2方向撮影が基本である.しかし,受傷直後で脱臼を伴っている場合は困難であるが,より詳細な観察には4方向撮影が望ましい.本症例では,X線検査で左肘後方脱臼と診断した.本症例は17歳であり,骨端線はほぼ閉鎖していた.しかし,成長期の肘関節の外傷で軟骨成分が多い場合には,骨折の正確な診断のために健側のX線像と比較する必要がある.
3) より詳細な骨折および軟部組織損傷の評価には,CT,MRIが有効である.
参考文献
1) 堀内行雄,川島秀一,菊地淑人:小児肘関節脱臼骨折の治療.整形・災害外科50:1573-1545,2007
2) Neill Cage DJ, Abrams RA, Callahan JJ, et al:Soft tissue attachments of the ulnar coronoid process. An anatomic study with radiographic correlation. Clin Orthop Relat Res 320:154-158, 1995
3) 西山賢治,高田治彦,下垣浩一・他:肘関節脱臼骨折の治療経験.中部整災誌48:99-100,2005
掲載誌情報