臨床整形外科48巻7号

2013年07月発行

症例報告

膝関節内と交通を持つ巨大ガングリオンの1例

著者： 石井元師¹ 石倉透¹ 松浦孝紀¹ 西田智¹

所属機関： ¹新小倉病院整形外科

ページ範囲：P.735 - P.737

　症例は77歳の女性で，右膝関節内側に9×8cmという巨大な腫瘤像を呈した半月ガングリオンの稀な1例を経験した．MRIでは腫瘤は内側半月に隣接していた．関節鏡視下半月部分切除と観血的腫瘤切除を行ったところ，腫瘤と関節内の交通部を認めた．また，交通部にはチェックバルブ様機構の存在を示唆する所見を認め，巨大化の一因となったことが考えられた．関節鏡視下半月部分切除と観血的腫瘤切除を行い，再発なく良好な経過であった．

参考文献

1) Barrie HJ:The pathogenesis and significance of menisceal cysts. J Bone Joint Surg Br 69:184-189, 1979

2) 中村俊介，宮口文宏，川畑英之・他：関節外に腫瘤を呈した内側半月ガングリオンの1症例．整形外科と災害外科54：86-88，2005

3) Reagan WD, McConkey JP, Loomer RL, et al:Cysts of lateral meniscus. Arthroscopy versus arthroscopy plus open cystectomy. Arthroscopy 5:274-281, 1989