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雑誌目次

雑誌文献

臨床整形外科48巻9号

2013年09月発行

雑誌目次

論述

腰椎変性すべり症に対する内視鏡下除圧術後の腰痛に関する検討―日本整形外科学会腰痛評価質問票とVisual Analogue Scaleを用いた解析

著者: 粟飯原孝人 ,   畠山健次 ,   漆原誠 ,   大内純太郎

ページ範囲:P.847 - P.853

 背景:腰椎変性すべり症に対する内視鏡下除圧術後の腰痛や,術前および術後の不安定性を詳細に検討した報告はない.

 対象と方法:腰椎変性すべり症に対する内視鏡下除圧術後の腰痛の改善度を日本整形外科学会腰痛評価質問票(JOABPEQ)とVisual Analogue Scaleを用いて評価し,不安定性との関連を検討した.

 結果:腰痛の改善は概ね良好であり,腰痛の改善に伴って他の障害や下肢症状も改善した.すべりや不安定性は腰痛の改善との間に有意な関連はなかった.

 まとめ:術後に腰痛が改善しない主因は,すべりや不安定性の残存または悪化よりも,神経根や馬尾障害の改善不良であると考えられ,腰椎変性すべり症の腰痛の主因はすべりや不安定性よりも,神経根や馬尾の圧迫である可能性が示唆された.

Ankylosing spinal disordersに伴った脊椎損傷

著者: 岡田英次朗 ,   手塚正樹 ,   高橋勇一郎 ,   中島大輔 ,   小川潤 ,   堀内陽介 ,   奥山邦昌 ,   西田光宏 ,   野尻賢哉 ,   清水健太郎 ,   戸山芳昭 ,   松本守雄

ページ範囲:P.855 - P.861

 背景:Ankylosing spinal disordersに伴った脊椎損傷の病態はいまだ明らかでない.

 対象と方法:対象は22例〔男性15例,女性7例,全身性特発性骨増殖症(DISH)20例,強直性脊椎炎(AS)2例〕25骨折で,受傷時平均年齢は79.6±8.3歳であった.

 結果:受傷形態は自宅での転倒など,軽微な外傷(72.7%)が最も多かった.胸腰椎移行部(56.0%)に多く認められ,半数以上に診断の遅延(54.5%)がみられた.手術治療により69.3%では神経症状の改善がみられたが,保存治療では不変であった.30.7%に周術期合併症がみられた.

 まとめ:本損傷では診断の遅延が多く,正確な診断のためにはCTによる評価が有用である.治療は神経症状を伴うことが多いことから,手術が望ましいが合併症の発生が稀ではないため,その適応は慎重に判断すべきである.

整形外科疾患患者に対する回復期リハビリテーション病棟の有用性の検討

著者: 坂野友啓 ,   大石強 ,   鈴木大介 ,   山本和史 ,   後迫宏紀 ,   水上泰延 ,   入澤寛 ,   美津島隆

ページ範囲:P.863 - P.867

 目的:回復期病棟で入院加療した整形外科疾患患者を評価し,回復期病棟の有用性につき検討することである.

 方法と対象:2011年1月からの2年間において急性期病棟から回復期病棟を経て入院加療した整形外科疾患患者のべ273例(女性207例,男性66例)とした.

 結果:在宅復帰率は81.9%,入院中の合併症は26例(9.5%)にみられたが死亡例はなかった.施設・病院への退院は自宅と比べ有意に歩行能力が低かった.

 まとめ:急性期病院に回復期病棟を併設するメリットとしては,スムーズな患者情報伝達,合併症に対する他科と連携した迅速な対応が挙げられた.

Lecture

悪性骨軟部腫瘍に対する新規治療薬

著者: 川井章

ページ範囲:P.869 - P.875

はじめに

 悪性骨軟部腫瘍の治療成績は,1970年代後半から90年代にかけて,大量メトトレキサート(MTX)療法,アドリアマイシン(ADR),シスプラチン(CDDP),イホマイド(IFO)など“当時の新規”治療薬の登場により大きく改善した.骨肉腫は不治の病ではなくなり,転移した悪性軟部腫瘍の患者さんの中にも長期生存する者が出てきた.これら薬剤の抗腫瘍効果,予後改善効果に支えられて,局所治療法もそれまでの切・離断術から患肢温存術に大きく舵を切ることが可能となった.まさしく,悪性骨軟部腫瘍の歴史における“Annus Mirabilis(奇跡の年月)”といっても過言ではない.しかし,残念ながら,その後,新たな抗腫瘍薬の開発がみられない年月が続く中で,臨床医のさまざまな工夫・努力にもかかわらず,悪性骨軟部腫瘍全体の治療成績の向上は,過去20年間,頭打ちの状況が続いてきたと言わざるを得ない.

 国立がんセンター(現国立がん研究センター中央病院)における過去20年間の骨肉腫(四肢原発,初診時Stage IIB,全87例)の治療成績を治療プロトコール(年代)ごとに比較すると,全症例の5年累積生存率は86.6%,Rosen T-12(1986~1992年)83.0%,NECO-93,95J(1993~2002年)85.3%,NCCH2003(2003~2007年)92.8%であり,各プロトコール(年代)間で有意な治療成績の向上は認められない(P=0.499)1).一方,同センターの悪性軟部腫瘍(軟部肉腫)の治療成績(2006年度初診,全146例)を初診時American Joint Committee on Cancer(AJCC) Stage別に検討すると,全症例の5年累積生存率は67.0%,Stage I(51例)100%,Stage II(25例)94.7%,Stage III(37例)54.1%,Stage IV(33例)10.4%であった.これは米国メモリアルスローンケタリングがんセンターにおける成績(Stage I 92%,Stage II 83%,Stage III 48%)とほぼ同等であり,その治療成績に大きな改善はみられない14)

 すなわち,悪性骨軟部腫瘍において,既存の抗がん剤を使用したプロトコールでは治療成績のこれ以上の劇的な改善は難しいと考えられること,遠隔転移例など進行例の治療成績はいまだ満足できるレベルには達していないことは明らかであり,新たな有効薬剤・治療法の登場が切望されてきた.このような状況の中で,希少がんである本領域においても,近年ようやく新規薬剤開発の動きが生じてきた.本稿では,わが国におけるこれら新規薬剤開発の現状と展望について概説する.

整形外科/知ってるつもり

骨転移の疼痛機序

著者: 若林弘樹 ,   米田俊之

ページ範囲:P.876 - P.880

■はじめに

 厚生労働省の統計によると昭和60年以降,悪性新生物が死亡原因の1位となっている.その原因は遠隔臓器への転移であるが,医療の向上に伴いがん患者の予後は改善してきている.一方で,直接には生命予後には関わらない骨転移患者数は年々増加している12).骨転移は患者のquality of life(QOL)を著しく低下させる要因であり,その中に激しい疼痛がある.がん患者に伴う疼痛は持続的,あるいは再発性であり,疾患に伴う不安感も助長させてしまう.骨転移に伴う骨痛は頻度も高く,がんによる骨痛発生機序の解明はがん患者のQOLに必須である.骨転移巣での酸性環境に着目し,骨痛発生機序と酸感受性受容体の関与についてわれわれが得た知見を交えながら紹介する.

連載 知ってますか?整形外科手術の変遷・18

頚椎前方除圧固定術

著者: 馬場久敏 ,   中嶋秀明 ,   彌山峰史 ,   内田研造

ページ範囲:P.882 - P.888

頚椎前方除圧固定手術の歴史的変遷

 頚椎は頭蓋と躯幹を接続し肩甲・上肢帯が懸垂する特殊な構造を有しており,加えて屈曲・伸展や側屈,捻転などの安定した運動性が要求されるため,退行性変性の発生頻度は腰椎以上に多い.加えて外傷に起因する椎体骨折や脱臼骨折,腫瘍や炎症,後縦靱帯骨化症などの頻度も高いので,頚椎柱に対する前方からの直達手術は根治的治療となり得る.頚椎柱前方には下咽頭や気管・食道が正中に位置し,前外側には頚動脈や総頚静脈・外頚静脈や反回神経が走行し,頚長筋longus colli muscleや甲状舌骨筋なども複雑に配置されているので,外科的進入法には極めて慎重な注意とともに熟達した技術も必要となる.日常診療において,椎間板の退行性変性に由来する頚部痛や頭痛および肩甲部痛に対しては,早くから前方進入法の施行が試みられていた.1920年代には脊髄や神経根を圧迫する“骨軟骨腫”病変に対して椎弓切除による後方摘出が施行されるようになったが,MixterとBarr17)が椎間板ヘルニアという概念と病態を1934年に初めて報告して以来,頚椎でも前方ルートでの病変切除の可能性が論じられるに至った.

成長期のスポーツ外傷・障害と落とし穴・34

足関節

著者: 山口奈美 ,   帖佐悦男

ページ範囲:P.889 - P.891

診断のポイント

 1) 10代男子,運動部所属

 2) 足関節の運動時痛,足関節捻挫の既往あり

 3) 足関節内側の疼痛

鑑別診断:足関節内側靱帯損傷,足関節内果疲労骨折,足関節インピンジメント症候群など

特別講義 整形外科の歴史・5

「先天性」股関節脱臼の治療史―CDHからDDHへ

著者: 小野啓郎

ページ範囲:P.892 - P.895

dislocatable jointの本体

 Ortolani's signやBarlow's signによる早期診断は,新生児股関節の「脱けやすさ・戻しやすさ」を証明する手技と解釈することができよう.診断画像によってその欠陥構造を明示できない以上は,機能不全として選別するほかない.実際に新生児の股関節には“接ぎ手”として際立った弱さがあるのか? その本体は何か?“接ぎ手”として弱い新生児期股関節を放置すると,脱臼に移行するのか?

 こうした疑問に答えるには,X線形態学や超音波画像だけでは不十分である.一方で,股関節脱臼を観血的に整復した整形外科医の手術所見を巡っても解釈が分かれた.さまざまな成因論にもかかわらず術中の観察では,共通した骨関節の欠陥構造や,「形が機能に追いついていけない」anthropologic abnormalityを確認できなかった.多くの術者に共通した異常所見は,関節包の弛みだけであった.

アドバンスコース 整形外科 超音波診断・治療 どこが・どれだけ・どのように・1【新連載】

肘関節の超音波診断

著者: 杉本勝正

ページ範囲:P.897 - P.905

Abstruct

 超音波診断において,肘関節の軟部組織は表層に近いので,比較的浅い部位の観察に適した器機設定(周波数とフォーカス)で行う.掌側,背側,尺側,橈側から肘関節全体を観察し,長軸短軸,左右比較を行う.超音波診断上,骨のメルクマールとなる部位は橈骨頭,尺骨鉤状突起,肘頭,内側上顆,外側上顆,肘頭窩などである.骨,関節軟骨面が明瞭に描出される方向にプローブを操作し,肘伸展屈曲,外内反,回内外反ストレスなどを加えて観察する必要もある.小児の肘関節は正常な骨端線の走行を把握して診断する.外側型野球肘には上腕骨小頭の掌側,背側からの形状,骨端線の走行を,内側型野球肘には内側側副靱帯前方線維,内側上顆の解剖を,後方型野球肘には肘頭,肘頭窩の形状を理解して診断することが重要である.

臨床経験

頚椎後縦靱帯骨化症(非骨傷性頚髄損傷合併例を含む)の骨化タイプ別椎間可動域および脊髄面積

著者: 伊藤圭吾 ,   湯川泰紹 ,   町野正明 ,   加藤文彦

ページ範囲:P.907 - P.912

 背景:Reconstruction-CTの登場で靱帯骨化の形態がより詳細にわかるようになった.

 方法と対象:頚椎後縦靱帯骨化症(以下C-OPLL)患者の骨化タイプをreconstruction-CTを用いて3タイプ(連結部,被覆部,非連結部)に分類し,タイプ別に椎間可動域と脊髄面積とを計測した.非骨傷性頚髄損傷を来したC-OPLL患者では脊損発生部の検討をした.

 結果:骨化が椎間板後方で連続していても椎間可動性は残余しており,脊髄面積にも変化を生じていた.骨化の途絶部での脊髄損傷発生率は64%であった.

変形性膝関節症に対する採型した外側楔状足底板は1年経過すると効果が減弱する

著者: 戸田佳孝

ページ範囲:P.913 - P.918

 背景:採型足底板は変形性膝関節症(膝OA)患者の足型に合っているが,毎月交換するためには高価である.

 対象と方法:この研究では採型足底板と1カ月ごとに交換する既製足底板の1年後の治療効果を比較した.

 結果:既製足底板を毎月交換した患者(20例)では治療前に比し,VASが有意に改善した(P<0.0001)が,採型足底板を装着した患者(n=18)では有意な変化はなかった(P=0.16).

 まとめ:既製足底板などを用いた膝OAに対する保存療法によって低価格で効果的な治療を行えるようになれば,患者にも高齢化社会の医療経済にも役立つであろう.

後方経路腰椎椎体間固定術後椎体間感染の診断とサルベージ手術についての検討

著者: 吉田裕俊 ,   折井久弥 ,   坂井顕一郎 ,   友利正樹 ,   榊経平 ,   佐藤浩一

ページ範囲:P.919 - P.924

 対象と方法:当科で経験した後方経路腰椎椎体間固定術後の椎体間感染15例を調査した.

 結果:血液データ上の白血球数,C反応性蛋白と体温の再上昇が認められた時点で感染発症の疑いが強まるが,椎体間感染は術後1カ月以内のMRIT1矢状断像での椎体低信号域により早期診断が可能である.

 まとめ:椎体間感染が判明した場合は,可及的早期の後方からのケージ抜去,再固定がサルベージ手術として推奨される.椎体間感染の診断が遅れた場合には,大血管周囲の瘢痕癒着形成による血管損傷のリスクが高まるので,側方アプローチによる腰椎椎体間固定術を選択する方法が望ましい.

腰部脊柱管狭窄症における神経根ブロックの意義

著者: 蓑田正也 ,   良川昌鳳 ,   岡本剛治 ,   真鍋道彦 ,   赤羽志保 ,   謝典穎

ページ範囲:P.925 - P.928

 目的:腰部脊柱管狭窄症(以下,LSCS)の治療法における選択的神経根ブロック(以下,神経根ブロック)の有効性について検討した.

 対象と方法:LSCSに対し神経根ブロックを施行した81例について,ブロックの効果持続期間,最終的な治療方法などについて調査した.

 結果:神経根ブロックの効果が5日以上持続した53例のうち,48例(90.6%)は手術加療を回避することができたが,効果が4日以内であった28例では,12例(42%が手術加療を要した.

 まとめ:LSCSにおいて,神経根ブロックの効果持続期間は治療の予後予測に有用である.

症例報告

病的骨折および脆弱性骨折と鑑別を要した恥骨上下枝疲労骨折の1例

著者: 面高拓矢 ,   田鹿毅 ,   斉藤健一 ,   柳川天志 ,   篠崎哲也 ,   高岸憲二

ページ範囲:P.929 - P.933

 症例は24歳の女性で,主訴は右股関節痛および恥骨部痛であった.特に外傷歴なく左股関節痛が生じ,単純X線,骨シンチグラムで恥骨上下枝骨折を認めた.既往に悪性疾患を有し,かつ骨盤への荷重ストレス,骨盤周囲筋の筋緊張をもたらすスポーツ歴,職業歴を認めた.精査の結果,悪性腫瘍の骨転移による病的骨折および骨粗鬆症による脆弱性骨折は否定的と考えられ,右恥骨上下枝疲労骨折と診断した.骨折型の診断において改めて問診の重要性を再認識した.

初診時のMRIで診断できなかった大腿骨内顆骨壊死の2例

著者: 松永大吾 ,   伊藤一人 ,   松永智美 ,   瀧澤勉

ページ範囲:P.935 - P.939

 近年,半月板切除などの医療行為に続発する膝骨壊死の報告が散見される.しかしながら,疼痛発生時のMRIで骨壊死の評価が困難であるとすれば,必ずしも医療行為が原因ではない症例もこの中に含まれている可能性がある.筆者らは,遡及的には膝骨壊死発症の極早期に撮影したと考えられるMRIにおいて,壊死の所見が陰性であった2例を経験した.半月板切除やステロイドの関節内注射などは施行しなかったが,経過中に再検したMRIによって大腿骨内顆の骨壊死が明らかとなった.このようなMRIの経時的変化は,膝骨壊死の病態を脆弱性骨折とする学説を支持するものであるとも考えられた.

セメントレス人工膝関節置換術術後にヘパリン起因性血小板減少症を発症した1例

著者: 佐藤春輔 ,   大谷崇裕 ,   河野紀彦 ,   川原佳祐 ,   池上博泰 ,   武者芳朗 ,   金子卓男

ページ範囲:P.941 - P.944

 抗凝固療法によりヘパリン起因性血小板減少症(HIT)を呈した77歳の女性の症例を経験したので報告する.保存的治療でも改善せず4年後にセメントレス人工膝関節置換術を施行した.術後1日にD-dimer値,FDP値の上昇を認め周術期血栓予防にヘパリンを使用した.ヘパリン使用後に血小板減少を認め,HITと診断した.下肢静脈エコーで深部静脈血栓症(DVT)を認めたが,重篤な合併症は発症しなかった.HIT抗体は2回とも陰性であった.

保存的治療を行った小児の経肘頭肘関節前方脱臼骨折の1例

著者: 黒坂健二 ,   安田匡孝 ,   安藤佳幸 ,   細見僚 ,   大橋弘嗣

ページ範囲:P.945 - P.947

 7歳男児の橈骨遠位骨端線損傷を合併した稀な経肘頭肘関節前方脱臼骨折の1例を経験した.小児の経肘頭肘関節前方脱臼骨折に対する報告はほとんどなく,治療法や治療成績は明確ではない.本症例では肘頭に対して保存的加療を,橈骨遠位骨端線損傷に対してはピンニングを施行し,術後6年4カ月の時点で良好な結果を得た.

書評

『肩 その機能と臨床 第4版』 フリーアクセス

著者: 吉川秀樹

ページ範囲:P.875 - P.875

 整形外科医として,また人生の先輩として私淑する信原克哉先生の『肩――その機能と臨床』の初版が出版されたのは,1979年である.小生が医師になって整形外科を始めた年であり,特別に感慨深い.その後,肩関節外科を含め整形外科学は急速な発展を遂げ,本書も改訂を重ねた.2001年改訂の第3版は,“THE SHOULDER-Its Function and Clinical Aspects”として英文翻訳され,2004年,英国医学会のHighly Commended Orthopaedicsを受賞している.このたび,待望の改訂第4版が出版された.第3版以後の約10年間にわたる膨大な研究成果や文献が新たに取り入れられている.

 本書の第一の特徴は,膨大な内容であるにもかかわらず信原先生の単独執筆であるという点である.先生独特の奥深い洞察,機知に富む解説が随所に散りばめられ,医師として,人間としての豊富な経験,風格からにじみ出る文章は実に味わい深い.この第4版は,大きなサイズ(A4判)に改められ,大変読みやすくなっている.現代的にビジュアル感覚を重視し,ふんだんにカラー写真,漫画,イラストレーションが駆使されている.なかでも,江戸時代の肩脱臼整復図,ゼロポジションの解説に引用されている布袋像や絵画の美女,長頭腱と骨頭の動きを解説したロープウェイ写真などは,特に印象的である.また,カラー写真14枚による腱板修復術の手術所見などは,動画を見ているが如く臨場感があり美しい.

INFORMATION

第17回超音波骨折治療研究会 フリーアクセス

ページ範囲:P.861 - P.861

会期:2014(平成26)年1月25日(土) 13:00~18:00(予定)

会場:クラウンパレス神戸(〒650-0044 兵庫県神戸市中央区東川崎町1-3-5 5階)

   TEL:078-362-1155

第33回整形外科バイオマテリアル研究会 フリーアクセス

ページ範囲:P.880 - P.880

会期:2013年12月7日(土)

会場:奈良ホテル

第27回日本創外固定・骨延長学会学術集会 フリーアクセス

ページ範囲:P.918 - P.918

会期:2014(平成26)年3月7日(金),8日(土)

会長:川端 秀彦(大阪府立母子保健総合医療センター整形外科主任部長)

会場:千里ライフサイエンスセンター(〒560-0082 大阪府豊中市新千里東町1-4-2)

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欧文目次 フリーアクセス

ページ範囲:P. - P.

次号予告 フリーアクセス

ページ範囲:P.949 - P.949

投稿規定 フリーアクセス

ページ範囲:P.950 - P.950

文献の書き方 フリーアクセス

ページ範囲:P.951 - P.951

あとがき フリーアクセス

著者: 菊地臣一

ページ範囲:P.952 - P.952

 本号が読者に届くのは,先祖や東日本大震災,あるいは避難先で亡くなった人々へ鎮魂の祈りが捧げられている頃です.

 何事もなかったように動いていく世の中,一方では亡き人を忘れまいとする心,忘れることで区切りをつけ歩み出そうとする人,これが世情です.ただ,今言えることは,大震災とそれに伴う原発事故は,われわれが生き方や世の中のあり方を振り返ったことです.何かが変わりました.後世,史家は人類の歴史の転換点と位置づけることでしょう.

基本情報

臨床整形外科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1286

印刷版ISSN 0557-0433

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