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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科48巻9号

2013年09月発行

文献概要

臨床経験

後方経路腰椎椎体間固定術後椎体間感染の診断とサルベージ手術についての検討

著者: 吉田裕俊1 折井久弥1 坂井顕一郎1 友利正樹1 榊経平1 佐藤浩一1

所属機関: 1埼玉県済生会川口総合病院整形外科

ページ範囲:P.919 - P.924

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 対象と方法:当科で経験した後方経路腰椎椎体間固定術後の椎体間感染15例を調査した.

 結果:血液データ上の白血球数,C反応性蛋白と体温の再上昇が認められた時点で感染発症の疑いが強まるが,椎体間感染は術後1カ月以内のMRIT1矢状断像での椎体低信号域により早期診断が可能である.

 まとめ:椎体間感染が判明した場合は,可及的早期の後方からのケージ抜去,再固定がサルベージ手術として推奨される.椎体間感染の診断が遅れた場合には,大血管周囲の瘢痕癒着形成による血管損傷のリスクが高まるので,側方アプローチによる腰椎椎体間固定術を選択する方法が望ましい.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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