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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科48巻9号

2013年09月発行

文献概要

症例報告

病的骨折および脆弱性骨折と鑑別を要した恥骨上下枝疲労骨折の1例

著者: 面高拓矢1 田鹿毅1 斉藤健一1 柳川天志1 篠崎哲也1 高岸憲二1

所属機関: 1群馬大学大学院医学系研究科医科学専攻器官機能制御学講座整形外科学

ページ範囲:P.929 - P.933

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 症例は24歳の女性で,主訴は右股関節痛および恥骨部痛であった.特に外傷歴なく左股関節痛が生じ,単純X線,骨シンチグラムで恥骨上下枝骨折を認めた.既往に悪性疾患を有し,かつ骨盤への荷重ストレス,骨盤周囲筋の筋緊張をもたらすスポーツ歴,職業歴を認めた.精査の結果,悪性腫瘍の骨転移による病的骨折および骨粗鬆症による脆弱性骨折は否定的と考えられ,右恥骨上下枝疲労骨折と診断した.骨折型の診断において改めて問診の重要性を再認識した.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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