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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科48巻9号

2013年09月発行

文献概要

症例報告

初診時のMRIで診断できなかった大腿骨内顆骨壊死の2例

著者: 松永大吾1 伊藤一人1 松永智美1 瀧澤勉2

所属機関: 1飯綱町立飯綱病院整形外科 2長野松代総合病院整形外科

ページ範囲:P.935 - P.939

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 近年,半月板切除などの医療行為に続発する膝骨壊死の報告が散見される.しかしながら,疼痛発生時のMRIで骨壊死の評価が困難であるとすれば,必ずしも医療行為が原因ではない症例もこの中に含まれている可能性がある.筆者らは,遡及的には膝骨壊死発症の極早期に撮影したと考えられるMRIにおいて,壊死の所見が陰性であった2例を経験した.半月板切除やステロイドの関節内注射などは施行しなかったが,経過中に再検したMRIによって大腿骨内顆の骨壊死が明らかとなった.このようなMRIの経時的変化は,膝骨壊死の病態を脆弱性骨折とする学説を支持するものであるとも考えられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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