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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科49巻10号

2014年10月発行

文献概要

臨床経験

局所後弯変形を伴った頚髄症に対する前後合併手術

著者: 古矢丈雄1 山崎正志12 大河昭彦1 國府田正雄1 新籾正明1 加藤啓1 稲田大悟1 神谷光史郎1 高橋和久1

所属機関: 1千葉大学大学院医学研究院整形外科学 2筑波大学医学医療系整形外科

ページ範囲:P.911 - P.915

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 局所後弯変形を伴った頚髄症に対し前後合併手術を施行した3例を報告した.矯正操作の安全性を向上させる目的で,矯正操作前に後方または前方からの除圧術を施行した.続いてインストゥルメンテーションを用いた後方矯正固定術を施行した.最後に,矯正位での前方支持性の獲得を目的に前方固定術を追加した.安全性に配慮した術式を選択することで,重篤な合併症なく脊髄除圧と矯正固定を獲得した.安全な矯正角度,至適矯正角度の決定については,引き続き検討を要すると考えた.治療原則はあるものの個々の病態はさまざまであるため,症例ごとのオーダーメード治療が必要であった.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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