icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科49巻11号

2014年11月発行

文献概要

臨床経験

腰椎後方椎体固定術における椎弓根スクリュー設置法の違いによる手術侵襲の差の比較検討

著者: 佐藤勝彦1 志田努1 関口泰史1 朝熊英也1 小平俊介1 高橋洋二郎1

所属機関: 1一般財団法人大原綜合病院整形外科

ページ範囲:P.1025 - P.1032

文献購入ページに移動
 背景:腰椎後方椎体間固定術PLIFにおいて,椎弓根スクリュー設置法の違いによる手術侵襲の差について検討した.手術の低侵襲化の達成度は,手術直後の患者回復に関連するプロセス指標やアウトカム指標による評価が必要である.

 対象と方法:腰椎変性疾患にPLIFを施行した55例を対象とした.椎弓根スクリュー設置法は従来法,筋間法,CBT(cortical bone trajectory)法の3群で,除圧群を対照とし,患者回復に関連する15項目の指標を設定して評価した.

 結果とまとめ:筋間法とCBT法の両者は,従来法より出血量が有意に少なく,ドレーンや排尿管の抜去が有意に早く達成できたことから,従来法より低侵襲であることが確認された.手術侵襲を出血量の面からみると筋間法が最小であり,疼痛の面からみるとCBT法が最小であると結論した.小皮膚切開での脊椎固定術は創治癒を遅延させ手術創部感染の発生率を高める可能性がある.

参考文献

1) 有園 剛,山口 徹,志田純一・他:VIPERを用いたMIS=PLIFの検討.整形外科と災害外科59(Suppl.1):93, 2010
2) Cloward RB:The treatment of ruptured lumbar intervertebral disc by vertebral body fusion. J Neurosurg 10:154-168, 1953
3) Goldstein CL, Macwan K, Sundararajan K, et al:Comarative outcomes of minimally invasive surgery for posterior lumbar fusion:A systematic review. Clin Orthop Relat Res Published online:25 January 2014
4) 石井 賢,松本守雄:新たなMISSシステム(MANTIS,VIPER,SpiRIT).整形外科最小侵襲手術ジャーナル53:41-47,2009
5) Santoni BG, Hynes RA, McGilvray KC, et al:Cortical bone trajectory for lumbar pedicle screws. The Spine J 9:366-373, 2009
6) Wang MY, Cummock MD, Yu Y, et al:An analysis of the differences in the acute hospitalization charges following minimally invasive versus open posterior lumbar interbody fusion. J Neurosurg 12:694-699, 2010
7) 山本利美雄,大和田哲雄:PLIFインストゥルメンテーション併用・非併用 両手術の経験から.pp272-277〔鈴木信正,中原進之介,野原 裕(編):腰椎変性疾患.基本知識とチェックポイント,メジカルビュー社,東京,2004〕
8) 柳井久江:4Stepsエクセル統計(第3版),オーエムエス出版,東京,2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら