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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科49巻11号

2014年11月発行

文献概要

論述

びまん性特発性骨増殖症(diffuse idiopathic skeletal hyperostosis:DISH)を伴う脊椎骨折患者の臨床経過の特徴と術前管理の重要性について

著者: 小早川晃範1 湯川泰紹2 伊藤圭吾2 町野正明2 加藤文彦2

所属機関: 1トヨタ記念病院整形外科 2中部労災病院整形外科

ページ範囲:P.995 - P.1000

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 背景:人口の高齢化に伴い,びまん性特発性骨増殖症(diffuse idiopathic skeletal hyperostosis:DISH)を伴う脊椎骨折の症例が増加傾向にある.

 目的:DISHを伴う脊椎骨折患者の臨床経過と術前管理の重要性について調査すること.

 方法:当院で手術を施行した21症例22骨折を対象とし,受傷機転や症状経過,治療成績を検討した.

 結果:低エネルギー外傷によるものが多く,骨折は中下位頚椎と胸腰椎移行部に集中していた.21例中7例が手術までに症状の増悪を認めた.

 まとめ:DISHを伴う脊椎骨折は不安定性が強く,経過中に神経症状の悪化を来しやすいため,多くの症例で手術を要する.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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