文献詳細
連載 整形外科最前線 あなたならどうする?・32
文献概要
症例
症例:20歳,男性
主訴:右手の把持動作困難
現病歴:1年前に運搬用ローラーに右手を挟まれ受傷した.母指CM関節開放脱臼,手指多発骨折を伴った手掌部の広範なデグロービング損傷と,手掌動脈弓の欠損が認められた(図1).受傷同日に脱臼整復術,骨接合術,静脈移植による全指の血行再建術,および遊離鼡径皮弁移植術による軟部組織再建を行った(図2).その後,手指の拘縮に対して腱剝離術と関節授動術,および装具療法と作業療法が施行されたが,第1指間の高度な拘縮により物体把持やピンチ動作が困難な状態である.
症例:20歳,男性
主訴:右手の把持動作困難
現病歴:1年前に運搬用ローラーに右手を挟まれ受傷した.母指CM関節開放脱臼,手指多発骨折を伴った手掌部の広範なデグロービング損傷と,手掌動脈弓の欠損が認められた(図1).受傷同日に脱臼整復術,骨接合術,静脈移植による全指の血行再建術,および遊離鼡径皮弁移植術による軟部組織再建を行った(図2).その後,手指の拘縮に対して腱剝離術と関節授動術,および装具療法と作業療法が施行されたが,第1指間の高度な拘縮により物体把持やピンチ動作が困難な状態である.
参考文献
1) 五谷寛之,山野慶樹,坂中秀樹・他:Ilizarov minifixatorを用いた第1指間開大術.別冊整形外科55:190-195, 2009
2) 五谷寛之:指用Ilizarov創外固定器による第一指間開大術—手技の実際.J MIOS 61:43-49, 2011
3) 工藤俊哉,原 彰,五谷寛之:創外固定を応用した手指骨・関節・軟部組織のコントロール.日本創外固定・骨延長学会雑誌24:59-66,2013
掲載誌情報