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文献概要
糖尿病患者の足潰瘍は,糖尿病の重篤な合併症で,しばしば長期入院や切断を必要とし,患者のQOLや生命予後を悪くする.足潰瘍は糖尿病に伴う糖尿病神経障害,末梢循環障害,易感染性などの内的因子と,網膜症による視力障害,視力障害による爪の誤処置,合わない履き物の使用,足に小外傷を受けやすい生活環境などの外的因子を基礎として発症する.これらの内外の因子を有する患者が,爪や胼胝や足白癬を不適切に処置したり,小外傷や火傷を負うと足潰瘍まで進行する率が高くなる.足潰瘍が進行すると,足趾や足の切断が避けられない場合が少なくない.足潰瘍の患者は皮膚科,形成外科,整形外科を受診する場合が多い.整形外科を受診する場合は切断を目的とすることが多いが,切断を回避してQOLを保てるような診断法・治療法と予防的フットケアについて概説する.
参考文献
1) Boulton AJ, Vilekityle L, Raganarson-Tennvall G, et al:The global burden of diabetic foot disease. Lancet 366:1719-1724, 2005
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