icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科49巻2号

2014年02月発行

文献概要

症例報告

術後55年で再置換術を行ったアクリル樹脂製人工骨頭の1例

著者: 長谷川和宏1 加畑多文1 前田亨12 楫野良知1 渡邉慎1 岩井信太郎1 黒田一成1 藤田健司1 井上大輔1 土屋弘行1

所属機関: 1金沢大学大学院整形外科学 2金沢赤十字病院整形外科

ページ範囲:P.187 - P.190

文献購入ページに移動
 背景:アクリル樹脂製人工骨頭は1950年に初めてJudetらにより報告されたが,合併症などの問題から1970年頃から使用されなくなった.

 症例:症例は78歳の女性で,23歳時に左結核性股関節炎に対し,近医でアクリル樹脂製人工骨頭置換術が施行された.77歳時に線維性強直で当科に紹介された.

 結果:KTプレート,同種骨を用いて再置換術を行った.インプラントは骨と結合しておらず容易に抜去できた.

 まとめ:今回,術後55年経過したアクリル樹脂製人工骨頭の再置換術を施行した.現在は使用されていないが,その存在を認識すべきである.

参考文献

1) 古家真一,香取庸一,中山貴士・他.股関節アクリル樹脂製人工骨頭置換術後に不良肢位強直をきたした1症例の治療経験.関東整災誌28:379-384,1997
2) Judet J, Judet R:The use of an artificial femoral head for arthroplasty of the hip joint. J Bone Joint Surg Br 32:166-173, 1950
3) 野尻英俊,井上幸雄,柳原 泰・他:アクリル樹脂製人工骨頭置換術で再置換を行なわず43年経過した1例.関東整災誌31:249-252,2000
4) 竹村 悳:アクリル樹脂製股関節人工骨頭(片山-平川式)の遠隔成績とチタニュウム製新慈大型(伊丹式)股関節人工骨頭について.日整会誌48:419-445,1974
5) 塚本理一郎,辻 耕二,松田芳和・他:50年経過したアクリル樹脂性人工骨頭の症例.日本人工関節学会誌40:652-653,2010
6) 上野 悟,勝呂 徹,長谷川和寿・他:術後35年にて再置換術を必要としたアクリル人工骨頭の1例.骨・関節・靱帯12:941-944,1999
7) 山内かづ代,田中泰弘:40年経過したアクリル樹脂製人工骨頭の再置換例.Hip Joint 27:392-394, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら