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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科49巻3号

2014年03月発行

文献概要

誌上シンポジウム 良性腫瘍に対する最新の治療戦略

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著者: 土屋弘行1

所属機関: 1金沢大学大学院医薬保健学総合研究科・医薬保健学域医学類機能再建学(整形外科学)講座

ページ範囲:P.202 - P.202

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 皆さんは良性腫瘍と聞くと,どのような疾患を思い浮かべられるのであろうか? 一口に良性腫瘍と言っても,整形外科医が対象とする分野には脂肪腫,血管腫,あるいはデスモイドなど実にさまざまな良性腫瘍があり,その生物学的特徴は大きく異なっている.時に局所難治性の良性腫瘍もある.腫瘍を専門としない整形外科医にとって,良性腫瘍と言えどもその特徴を理解しその最新の治療を知ることは,「どのような良性腫瘍患者を腫瘍専門医へ紹介すべきなのか?」を判断するのに重要である.

 

 本特集では,良性腫瘍の最新の治療戦略につき,各領域で第一線に立つエキスパートの先生方に解説をお願いした.金沢大学附属病院の山本憲男先生には総説をお願いし,切除生検施行時の注意点と,腫瘍を専門としない整形外科医が手術を行ってもトラブルを生じる可能性の低い良性腫瘍,あるいは術後局所再発によりトラブルを生じる恐れの高い良性腫瘍について解説いただいた.また,一般整形外科医の手術対象となる良性腫瘍については,より低侵襲な最新手術法について,真木病院の篠崎哲也先生に類骨骨腫に対するラジオ波焼灼術について,名古屋市立大学病院の岡本秀貴先生に内軟骨腫に対する鏡視下搔爬術について,それぞれ解説いただいた.一方,局所再発傾向が高く,手術後治療に難渋する可能性の高い良性腫瘍については,東京大学附属病院の河野博隆先生にデスモイドに対するトラニラストを用いた薬物療法を中心とする治療成績を,名古屋大学医学部附属病院の西田佳弘先生に色素性絨毛結節性滑膜炎(PVNS)に対するイマニチブを用いた薬物療法あるいは手術による治療成績について,金沢大学附属病院の武内章彦先生に骨巨細胞腫に対する抗RANKL抗体薬を中心した薬物療法あるいは手術による治療成績について,それぞれより掘り下げて解説いただいた.また,がん研有明病院の阿江啓介先生には,日頃の診療でも遭遇する線維性骨異形成に対する手術適応の判断につき,豊富な治療経験から解説いただいた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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