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連載 アドバンスコース 整形外科 超音波診断・治療 どこが・どれだけ・どのように・6
リウマチ関連
著者: 小林勉1
所属機関: 1群馬大学大学院医学系研究科医科学専攻器官機能制御学整形外科学
ページ範囲:P.379 - P.384
文献購入ページに移動近年,関節リウマチの診断および治療において,超音波検査の有用性が評価されてきている.現在の関節リウマチ疾患活動性の評価においては,DAS(disease activity score in rheumatoid arthritis)28,SDAI(simple disease activity index)あるいはCDAI(clinical disease activity index)などが用いられているが,これらの評価法はいずれも関節局所の所見,炎症反応,患者および診察医の全般評価を組み合わせた評価法で,その評価にはしばしば経験と熟練を要する.
超音波検査はより正確な関節所見を得ることにつながり,結果として疾患活動性評価の正確性が向上することが期待できる.また,腫脹関節に対して関節穿刺や薬物注入を行う場合に,超音波ガイド下に穿刺を進め,薬液を標的部位に正確かつ安全に注入できることも,本検査が有用である点の1つと言える.
以上から,関節リウマチの初期診断から,その後の疾患活動性の推移の評価,さらには局所の症状変化への柔軟な対応といったさまざまな場面で超音波検査は有用である.運動器超音波診断は,関節リウマチ診療において不可欠な画像診断ツールであると言える.
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