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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科49巻4号

2014年04月発行

文献概要

臨床経験

筋肉温存型腰椎椎弓間除圧術の進入法を応用した胸椎黄色靱帯骨化症に対する除圧術

著者: 北中重行1 八田陽一郎2 長江将輝3 小池宏典2 三上靖夫3 久保俊一3

所属機関: 1舞鶴赤十字病院整形外科 2京都第二赤十字病院整形外科 3京都府立医科大学大学院運動器機能再生外科学(整形外科)

ページ範囲:P.385 - P.390

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 胸椎黄色靱帯骨化症(以下,OLF)に対して筋肉温存型腰椎椎弓間除圧術(以下,MILD)の進入法を応用した除圧術を施行した.対象は4例で,臨床成績と画像所見について検討した.1椎間あたりの出血量は平均41g,日本整形外科学会腰痛疾患治療成績判定基準(JOAスコア)の平均改善率は54%であった.骨化巣の高位や骨化形態に関わらず,術前計画通りに骨化巣の切除ができ,後弯の増大は平均2.2°で,矢状面アライメントに大きな影響を与えなかった.本術式は,出血が少なく,オリエンテーションが良好な広い術野で安全かつ十分に骨化巣の切除が可能であり,OLFに対する有用な低侵襲手術である.

参考文献

1) 八田陽一郎,阪本厚人,原田智久・他:腰部脊柱管狭窄症に対する新しい低侵襲除圧術―筋肉温存型腰椎椎弓間除圧術.Med Postgrad 42:425-431,2004
2) Hatta Y, Shiraishi T, Sakamoto A, et al:Muscle-preserving interlaminar decompression for the lumbar spine:a minimally invasive new procedure for lumbar spinal canal stenosis. Spine 8:276-280, 2009
3) 貝沼慎吾,佐多和仁,小川 崇,他:MILD approachを用いた胸椎黄色靱帯骨化症手術.J Spine Res 4:857-860,2013
4) 片山良仁,松山幸弘,吉原永武・他:胸椎黄色靱帯骨化症における靱帯骨化部切除の工夫.東海脊外20:52-54,2006
5) 北中重行,八田陽一郎,三上靖夫・他:筋肉温存型腰椎椎弓間除圧術(MILD)のアプローチを応用した脊髄腫瘍摘出術.J Spine Res 1:1444-1448,2010
6) 国分正一,佐藤哲朗,西平竹志:脊柱管内靱帯骨化症のCT.整形外科MOOK50:59-71,1987
7) 佐藤哲朗,田中靖久,相沢俊峰・他:胸椎黄色靱帯骨化症の手術法と合併症.脊椎脊髄11:505-510,1998
8) Shinokawa K, Hanakita J, Suwa H, et al:Clinical analysis and prognostic study of ossified ligamentum flavum of the thoracic spine. J Neurosurg (Spine 2) 94:221-226, 2001
9) 菅 尚義,宮崎昌利,吉田省二・他:胸椎黄色靱帯骨化症に対する円筒形レトラクターを用いた顕微鏡下手術(TR法)の検討.臨整外46:597-603,2011
10) 山田博信,平林 茂,本強矢隆生,他:胸椎黄色靱帯骨化症に対する正中縦割法による後方除圧術の成績.脊椎・脊髄手術手技10:145-149,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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