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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科49巻5号

2014年05月発行

文献概要

論述

周術期総腓骨神経麻痺―下肢手術での予防と対策

著者: 玉置康之1 百名克文1 田中康之1 井上悟史1 川井康嗣1 打越顕1 丸山征爾1 馬谷直樹1 坂口雅彦1 中村賢司1 古川剛1 岩井輝修1 光澤定己1 仲谷健次1

所属機関: 1日本赤十字社和歌山医療センター整形外科

ページ範囲:P.411 - P.414

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 目的:周術期総腓骨神経麻痺予防の新たな対策の効果を検討した.

 対象と方法:対策として,パンフレット作成,総腓骨神経のマーキング,チェックリスト作成,下肢枕の工夫を行った.対象は全身麻酔または腰椎麻酔の下肢手術症例で,対策前の987例をBefore群,対策後の1,196例をAfter群とし,総腓骨神経麻痺発生率を検討した.

 結果:麻痺発生率は,Before群0.4%(4例),After群0%(0例)で,有意差を認めた.

 まとめ:周術期総腓骨神経麻痺は,医療者側の観察の具体化,患者側への働きかけ,下肢枕の工夫を行うことで予防が可能である.

参考文献

1) 広部晃江,鈴木祥子,鈴木綾子・他:フットケアを考える―腓骨神経麻痺の予防の試み.日救急医会関東誌20:308-309,1999
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4) 中村仁美,大石聡美,石田幸子・他:腓骨神経麻痺ゼロを目指す―患者への教育的働きかけを通して.Hip Joint 10:1-3,2010
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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