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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科49巻7号

2014年07月発行

文献概要

臨床経験

関節面直下にfracture voidを伴った橈骨遠位端骨折に対するDVR®掌側ロッキングプレート固定の治療成績―局所海綿骨を用いたsubchondral bone tamp法の有用性について

著者: 加藤直樹12 福本恵三1

所属機関: 1埼玉成恵会病院・埼玉手外科研究所 2埼玉医科大学総合医療センター整形外科

ページ範囲:P.613 - P.620

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 最も強度が期待できる軟骨下骨部分を面で支えるsubchondral supportというコンセプトのもとデザインされたDVR®掌側ロッキングプレートは,比較的強固な遠位骨片の制動性を有していると思われる.しかし,背側の関節面直下にfracture voidが存在すれば,遠位骨片の背屈転位を確実に制動できず矯正損失が生じることがある.そこで筆者らは最近,整復位保持の観点からsubchondral bone tamp法(SBT法)を併用し内固定を行っている.SBT法とは,荷重やストレスの伝搬経路から外れる骨幹端部や遠位骨幹部の海綿骨を関節面直下に押し上げて充塡することで,関節面の整復に加え,圧縮された海綿骨の厚い層をfracture voidが存在する軟骨下骨部分に作り出し,同部に挿入したペグの関節面支持力を増加させるといった手法である.今回,SBT法の実際の手術手技と,本法を併用した橈骨遠位端骨折7例の臨床成績について報告する.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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