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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科49巻9号

2014年09月発行

文献概要

症例報告

正中神経運動枝を選択的に障害した砂時計状ガングリオンの1例

著者: 橘昌宏1 金子哲也2 後藤渉3 中島一郎3 田鹿毅1 高岸憲二1

所属機関: 1群馬大学大学院医学系研究科医科学専攻器官機能制御学整形外科学 2井上病院整形外科 3群馬県済生会前橋病院

ページ範囲:P.823 - P.825

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 症例は41歳の女性で,主訴は左手掌部の腫瘤であった.母指球皮線撓側に1.5cmの弾性硬の腫瘤を認め,短母指外転筋の高度萎縮を認めた.正中神経領域の感覚障害は認めなかった.MRIでは中手骨基部掌側でくびれた部分を持つ,T1強調像で低信号,T2強調像で一様な高信号の軟部腫瘤を認めた.摘出術を施行し,術中にガングリオンが手根管内で正中神経の運動枝分岐部を圧迫し,横手根靱帯を運動枝とともに貫通している所見を認めた.ガングリオンにより正中神経運動枝が選択的に障害された非常に稀な症例と考えられた.

参考文献

1) Crowley B, Gschwind CR, Storey C, et al:Selective motor neuropathy of the median nerve caused by a ganglion in the carpal tunnel. J Hand Surg Br 23:611-612, 1998
2) Jansen TT:Isolated compression of the motor branch of the median nerve by a ganglion. Scand J Plast Reconstr Surg Hand Surg 24:171, 1990
3) Kato H, Ogino T, Nanbu T, et al:Compression neuropathy of the motor branch of the median nerve caused by palmar ganglion. J Hand Surg Am 16:751-752, 1991
4) Kobayashi N, Koshino T, Nakazawa A, et al:Neuropathy of motor branch of median or ulnar nerve induced by midpalm ganglion. J Hand Surg Am 26:474-477, 2001
5) 西川真史,藤  哲:手関節ガングリオンの診断と治療.痛みと臨床6:10-17,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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