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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科5巻1号

1970年01月発行

文献概要

視座

郭沫若から聞いた話

著者: 天児民和12

所属機関: 1九州大学 2九州労災病院

ページ範囲:P.7 - P.7

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 10年位前の話である.中国に革命が起こり,その混乱が落着いたころ中華人民共和国科学院総裁をしていた郭沫若が日本に来た.郭沫若は文化大革命以来表面に現われなくなつたが,彼は若くして日本に留学した.岡山の第六高等学校を経て九大医学部に学んだ.そのころからロマン主義文学を推進し,帰国後1925年軍閥に対抗した北伐軍に参加したが革命軍の分裂により失敗して日本に亡命した.そして10年間機会を待つていたが,日中戦争が起こるやひそかに日本を脱出して中共軍に参加し,中国の革命に大きな力となったことは読者諸兄も御存じのとおりである.その郭沫若一行が福岡をも訪ねてきた.ちようど私はそのころ医学部長をしていて医学教育,とくに臨床教育の改革をしていたので彼から中共の医学教育について尋ねてみたいと思い,それを楽しみにして彼の到着を待つた.彼の友人やわれわれと一緒になつて博多の料亭で歓迎会を催した.彼も学生時代の思い出に浸り,すつかりくつろいでわれわれと愉快に話し会つた,私が日本では今医学教育をどのように改革するか悩んでいるが,新しい中共ではどのようにして医学教育をしているかと質問したのに対し,郭沫若の返答はまつたく意外であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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