文献詳細
論述
文献概要
はじめに
先天股脱も乳児検診が普及し早期に発見されるようになり,大多数が3,4カ月,遅くとも1歳未満で治療が始められるようになつた.
そして治療の面でもRiemenbügel(以下R. B.と略す)の活用により成績が上り,大体の治療体系ができ上つた.一方不幸にして早期発見から洩れ,1歳以上になつて来診するものもまだ跡を絶たない.先天股脱の治療は年齢が大きくなるほど難しくなるが,確かに1歳以上のものは未満のものにくらべ治療が容易でない.第一に,1歳未満では大半がR. B.だけで治療できるのに反し,1歳以上ではそのようにはいかない.われわれは,1歳以上の場合にも機能的治療法の考えで臨んでいるが,方法に関しては症例ごとに苦慮した.最近5年間に60余例を経験し一応の治療体系ができあがつてきたので,これを紹介し,問題点や本質を検討したい.
先天股脱も乳児検診が普及し早期に発見されるようになり,大多数が3,4カ月,遅くとも1歳未満で治療が始められるようになつた.
そして治療の面でもRiemenbügel(以下R. B.と略す)の活用により成績が上り,大体の治療体系ができ上つた.一方不幸にして早期発見から洩れ,1歳以上になつて来診するものもまだ跡を絶たない.先天股脱の治療は年齢が大きくなるほど難しくなるが,確かに1歳以上のものは未満のものにくらべ治療が容易でない.第一に,1歳未満では大半がR. B.だけで治療できるのに反し,1歳以上ではそのようにはいかない.われわれは,1歳以上の場合にも機能的治療法の考えで臨んでいるが,方法に関しては症例ごとに苦慮した.最近5年間に60余例を経験し一応の治療体系ができあがつてきたので,これを紹介し,問題点や本質を検討したい.
掲載誌情報