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論述
1歳以上(3歳以下)の幼児先天股脱の治療
著者: 坂口亮1
所属機関: 1東京大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.8 - P.16
文献購入ページに移動先天股脱も乳児検診が普及し早期に発見されるようになり,大多数が3,4カ月,遅くとも1歳未満で治療が始められるようになつた.
そして治療の面でもRiemenbügel(以下R. B.と略す)の活用により成績が上り,大体の治療体系ができ上つた.一方不幸にして早期発見から洩れ,1歳以上になつて来診するものもまだ跡を絶たない.先天股脱の治療は年齢が大きくなるほど難しくなるが,確かに1歳以上のものは未満のものにくらべ治療が容易でない.第一に,1歳未満では大半がR. B.だけで治療できるのに反し,1歳以上ではそのようにはいかない.われわれは,1歳以上の場合にも機能的治療法の考えで臨んでいるが,方法に関しては症例ごとに苦慮した.最近5年間に60余例を経験し一応の治療体系ができあがつてきたので,これを紹介し,問題点や本質を検討したい.
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